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接触4~sideじゅん~
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俺がここに来てから、初めてまさとがプライベートで出かける、と言う。
友人と飲みに行く、と言っていたが、その相手と待ち合わせの電話をしているのを聞いていると、違うなってなんとなく感じた。
多分、まさとは、その相手のことが好きだ。
声は甘くなっているし、何よりも顔が浮かれきっている。
その時は、あー、そうか、そんな相手がいたんなら、俺邪魔だよな、やっぱ早く出ていこ、とかそれくらいしか思ってなかった。
あー、ヤバいな。
最近、安定剤の効きが悪くなっている気がする。
溜まってると言えば溜まっている。ここで生活するようになってから、本番はもちろん、オナニーもほとんどしていない。
それは、薬の影響もあったのだろうが、あの暴力的な行為への恐怖と性的なことが繋がってしまっているのだろう。なぜか、溜まっているのはわかっていても、そういう気分になれなかった。
一人でこの部屋にいることが、こんなに苦しく感じたことはなかったかもしれない。
せめて、何か気を紛らすものがあれば良かったのだろうが、この家には何もない。
唯一の楽しみのまさとの料理も、当たり前だが今日は作り置きのおかずが置かれていただけだ。
それも、さっき食べてしまったから、もう何もすることがない。
普段はしたことがない、食器の片付けや風呂掃除までしてしまった。
慣れない作業に、意外と時間は潰せたが、それでも気が紛れるほどではなかった。
じわりじわりと、焦りが生まれる。
誰かに抱いてもらえないと、眠れない。安心できない。消えてしまいたくなる。
誰にも愛されなくてもいい。せめて、気持ち良くなりたい。
一つ、大きくため息を吐く。
そして、震える手を、伸ばした────
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