アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
すれ違い5~sideじゅん~
-
「おれのこと好きか?」
マッサージを受けて、気持ちよくてぼうっとしていたら、まさとにそう尋ねられた。
「うん、好きだよ~」
嫌いだったら、ここに住んでないし、セフレにだってなってない。
俺は淫乱かもしれないけど、体の相性だけでセフレを選んでるわけじゃないんだから。
・・・でも、まさとはどうなんだろ。
軽く答えてみてから、まさとの気持ちが気になり始めた。
まさとが選ぶ基準ってなんなんだろ。ここに置いてくれてるんだから、それなりに俺のこと気に入ってはいるんだろうけど、こんな俺のどこが気に入ったんだ?
「まさとは?」
俺が座っている後ろに膝立ちになってマッサージをしてくれているまさとを見上げる。俺が反対にまさとに尋ねると、変な顔をしていたまさとの顔が更に歪んだ。なんと言うか、泣き出しそうな感じがした。まさとの泣き顔なんて見たこともないのに。
どうしたらいいのか迷っていると、ふと一つの結論が出た。
・・・そっか、俺が好きって言ったのがダメだったんだ。
だから変な顔をしてたし、俺が反対に尋ねたら余計に気分が悪くなったんだ。
今までのセフレの中にも、ドライというのか、重いのは嫌だ、と徹底的に感情を持ち込まないタイプがいた。だからと言って俺への扱いが酷いわけではなかったから、それはそれで俺はそこまで気にならなかった。
まさともそんなタイプなのかもしれない。そうは、見えないけど。
そんな結論で気持ちが納得したのに。
「おれは・・・好きだよ、純が」
重々しく、まさとが口を開いた。
表情は、まだ曇ったままだった。
何故かそれ以上はまさとの顔が見たくなくなって、顔を正面に戻した。
まさとのマッサージの手は止まっていて。狭い空間に、沈黙が続く。
別に、俺が好きだって言ったからって、無理に好きだって言わなくてもいいのに。
ちょっとだけ俺の気分も下がった。
せっかくマッサージでいい気分だったのになぁ。
でも、ここでまさとを怒らせても俺に得はない。
精一杯の笑顔で、まさとを振り返る。
「ありがとね~。まさとは優しいなぁ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
75 / 118