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すれ違い7
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舌を絡めあわせて、唾液を交換しあって。
その最中に、ちらっとまさとを見ると、やっぱり苦しそうな顔だった。
なんとなく、まさとには他に本命的な人がいるのかな、と思った。
俺を通して、その人を見ているんじゃないか、だからこんなに苦しそうなんじゃないかって。
すとん、とその考えが、俺の心の中に落ち着く。
あー、だからか。
今までのセフレの中にも、そんな奴いたっけ。
ノンケの友人に恋してしまって、もどかしさを俺や他の相手で紛らせて、でもやっぱり満たされなくて。
そんな奴が、同じような苦しそうな顔をしていたのは、覚えている。
理由がわかったから、スッキリするはずなのに、まさとの苦しそうな顔を見ると、なんだか食べ過ぎた後のような胸焼けのような重苦しさが俺の腹を圧迫していた。
「じゅん・・・」
切なげに俺を呼ぶ声も、俺を抱きしめる腕も、自分を求めてくれるものじゃない、それが妙に虚しく感じた。
そんなこと、他の奴に感じたこともなかったのに。
腹、減ってんのかな、俺。それとも、きのーの夕食の唐揚げが胃にもたれたのかも。
俺は、本当に馬鹿だから、その虚しさと重苦しさをまさとが食べさせてくれた昨日の夕食のせいにして、ただなんとなく居心地が悪くなったな、なんて考えていた。
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