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再開1~sideじゅん~
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まさとの家を出たのは、深い理由はない。
まさとには、田中が売りを再開しろとか急かしてきたなんて言ったけど、本当はちょっと違う。
田中は、『もう仕事しねーならしねーで、書類破棄するからちゃんと報告しやがれ、面倒かけさせんじゃねーよ』って言ってきただけだ。
書類ってのは、俺が売りを始めた時の契約書のこと。
辞めるときには破棄するって約束になってる。まぁ、ヤクザがそんな口約束守るなんて思ってもいないけどね。
嘘吐いたことになるのかなぁ、嘘はあんまり好きじゃないんだけど。
でも、隼人の件を田中がちゃんと処理してくれたってのは、本当。
なんでも、『怖いにーちゃんに怒鳴られて』だとかで、普段はそんなの俺が頼んだって放置するくせに、今回はなぜかちゃんと対処してくれた。
隼人たちは、かなり痛い目に遭わされたらしく、二度と俺と関わろうとは思わないだろう。
だけど、まさととのエッチで消えたと思っていた恐怖感は、消えてしまわずにどこかに隠れていただけみたいだ。
売りを再開する気が起こらないのだ。
かといって夜眠れるようになったかと言えば、むしろまさとの家に転がり込む前よりも悪化しているような気がする。
一日の終わりに、睡眠導入剤を酒で流し込む。
頭がぼんやりとして、思考が鈍くなる。自分がどんどんバカになっていく、そんな感じ。
熟睡することはできなかったから、悪夢を見ることがなかったのが、せめてもの救いだった。
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