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抱擁5~sideまさと~
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何度か達した後、糸が切れたように眠りについた純をベッドに寝かせて、後処理を簡単に済ませてから、おれもベッドに腰かけて、純の眠る姿を見つめていた。
自分の記憶の中にいたものよりも、痩せこけてしまった肩に、そっと掛布団を被せる。
流れでこうなるような予感はしていたが、ここまで自分も我を忘れて純の体にのめり込んでしまうとは思わなかった。
結局、おれは肉欲に負けたのか。そう考えると情けなくなる。純とは最初からそんな風に流されていたから、ケジメをつけたかったのに。
それでも、純の体はおれを拒まない。一度潜り込めば、柔らかくもきつくおれを包み込んでくれる。
その内部の熱さを思い出せば、鎮まったはずの欲望が湧いてくるような気がして、とにかく純から離れようとベッドから立ち上がる。
くん、と引っ張られるような感覚がして思わず振り返ると、純の手がおれの羽織っていたTシャツの裾を掴んでいた。
その手が純の持つ心の不安定さを象徴しているように見えて、胸が苦しくなる。
ずっと眠れていなかったのだろう、目の下の隈はそれをはっきりと伝えてきたし、熟睡しているのを見ても、それはわかる。
ここまで自分を追い詰める前に、おれを頼ってほしかった。そう思ってしまうのは、おれのエゴなんだろうか。
純の手を包むように、そっと自分の手を添える。それに安心したかのように純の手の力が抜け、おれのTシャツから離れて落ちていった。
「純、おれを頼ってくれよ・・・」
我ながら女々しいとは思いながらも、聞こえているはずがないとの安心感から、情けない言葉がおれの口をついて出てくる。
「お前のこと、もっと理解していくから」
汗で貼り付いた前髪を撫でる。
離れなければ純に欲情してしまいそうなのに、どうしても離れがたかった。目を閉じて、安らかな表情で眠る純は、今まで見た中で一番幼く見えた。
その幼い寝顔は、おれの心を固めるには十分すぎるほどだった。
もう、純から逃げようとは思わない。純の抱えるもの、全てを受け入れる、そう密やかに誓っていた。
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