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4 嵐の夜に。2
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遙side
めっちゃ怖がってんじゃん……。
て、どーすんだコイツ。
「大丈夫ほら」
そいつの頭を撫でてやった。
そうすると、気持ちよさそうに目を細め頭をこすりつけたりゴロゴロと喉ならした。
なんか、可愛いな…コイツ。
そう思っているとキュルキュルと大きな音が聞こえた。
「腹減ってるのか?」
すると、そいつが頷く。
ポケットというポケットを探すと、鞄の中にクッキーが入っていた
「ん、ほら食べな?」
掌に乗せて渡すと、さっと取って一瞬のうちに平らげてしまった。
コイツ家出したのか?
それにしてはみすぼらしい身なりをしているな…
これは警察に電話した方がいいのか?
「えっとお前、ウチは?」
「………ない」
小さくて思ったよりも可愛らしい声が返ってきた。
これが俺とコイツの初めての会話だった。
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