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6 家に帰ろう
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遙side
「ハル…立てない…」
行くという意思は伝わったが、そんなに体力を消耗しているのか?
帰ったら何か食べさせてやらないとな。
見つけた時から思っていたが、ココは何だか不思議な雰囲気で、とても心を惹きつけられる。
守ってやりたくなるような、世話を焼きたくなるような…
「まったく…ほら乗れ」
「あ、ありがとう…」
「お前、シェルターに居たのに何でここにいるんだよ」
「ダメ!!戻りたくない!!」
「それは分かってるから。今まで、どうやって暮らしてたんだ?それくらいは言えるだろ?」
「 それ言ったら、嫌われちゃうっ、やだやだっ!!」
なんだよ、これも地雷かよ。何なら喋れるんだ??
内心呆れながら歩き出す。
「大丈夫だって。こんな変なヤツ助けた俺が、今さらそんなことするわけ無いだろ」
「捨てるに決まってる!やだ…もう訊かないで」
泣いて俺の背中に力一杯しがみつく。
必死な姿に胸がきゅっとなった。
初めての感覚に疑問を抱きながらココを背負い直す。
なぜだ?尋常ではないほど俺の的を射抜いてきている。
なんだよこの状況…こんなの訊いてねぇよ。
「男だろ?泣くんじゃない。詳しくは、お前が話せるようになってからな?
こんなの本当に風邪引いちまうから、早く帰ろう。な?」
泣きじゃくるココを宥めながら、土砂降りの雨の中、家路を急いだ。
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