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28 ココの気持ち
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遙side
「言ってくれないとオレ、分かんないよ…また何かしちゃう………」
弱々しく俺の背中に語りかけるココ。
「じゃぁ、訊くけど…お前何で今さっき大我にあんなに触らせたんだよ」
いつの間にか俺はココを壁際まで追いやっていた。
「なんで?俺にはビクビクしたりするくせに、初対面の大我には懐くんだな。そんなに俺のこと嫌いか?」
俺はまだココの笑った顔見たことねぇのに……
マジなんなんだよ
「ち……がっ」
ムカついて頭が爆発しそう
「俺よりアイツに飼われたいの」
「ち…ちがう……っ!」
突然ココが、俺の服を握りしめながら大きく首を振って否定した。
「ちがっ、ちがう……っ」
「……オレ…は、オレは人が怖い……
オレは捨て子で、小さい時からわけの分からない所に入れられてた。
生きるために何でもやって…色々あってそこ抜け出して…
オレの正体知った人はみんな……みんな酷いこと……でも、ハルは嫌わずにいてくれた……」
ぷるぷると震えながら泣きながら必死に俺に伝えようとしている。
「ペットの代わりでも…何でもいいから必要としてくれるなら…と思って……ぐずっ、
オレに名前をくれて、うちの子って言ってくれた……」
「ココ……お前…」
「そんな人オレ初めてだったから……あり、がと…っ、ずっとお礼が言いたかったんだ」
涙を零しながら俺を見つめ笑ってくれた。
俺に見せた初めての笑顔がそれだった。
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