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32 安眠妨害いう名の被害妄想
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遙side
あれから、ほんの少し仲良くなった。
その証拠に毎度、毎度、俺が寝てる間にくっついてくる。
いつも自分の理性と格闘しながらようやくココを抱くのだった。
ココは、俺が目を瞑っている間にもぞもぞと動いて俺の胸元にたどり着くのだ。
俺が少し薄目を開けて、その可愛いありさまを見ているのに気がつくと
「……ぅぁ」
と混乱しまごつき、みるみるうちに顔が赤くなって
逃げるようにベッドの端のほうへ行ったかと思うと、そっぽを向いて寝てしまう。
そしてまた目を瞑って寝たふりをすると、再びもぞもぞと動くのだ。
そのココの顔といいリアクションいい、いつも笑ってしまいそうなのを必死にこらえて平常心を保っている。
悶えたくなるような可愛いさのコイツを、思いっっっっきり抱きしめて……
あと何しよう………
後は何も浮かばないが、とりあえず抱きしめたい。
あ。あわよくば、キス…も?
あーやめやめ。考えるな。寝ろ。
それはしない約束だろが。
そう自分の中に言い聞かせて、俺の様子を見ながら動き回るココをよそに、
今夜も頭の中で妄想を繰り広げては掻き消すのだった。
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