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86 目を離すと2
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遙side
「おいっ、兄貴!ココにワイン飲ませたろ」
「言っても二口だけだぜ?」
「でも現にこうなってるだろが」
いい感じに酔っているため、何を言っても右から左だった。
少し飲んだくらい何なんだだっていう話だが、俺は心配で仕方がない。
一応未成年だし、だめなものはだめだ。
「うーん…頭いたいよぉ。お水ほしぃー」
「ちょっと待ってろ。すぐ取ってくるから」
ココをソファに座らせてから、水を取りに行こうとココの元を離れる。
「やらぁ……行かないれよぉー!ぼくのはゆは誰にもわたさないんらからー!!!」
「ちょっとココちゃん大丈夫なの?子どもみたいになってるよ?はい、お水」
心配そうにココのようすを伺いながら、水を持ってきてくれた。
「あーサンキュ。おーいココ、水だぞ」
「うー…んく、っく」
「ったく、あれほど念押ししておいたのに」
「ごめんね遙、僕の方からちゃんと言い聞かせておくよ」
苦笑した後、兄貴に冷ややかな笑みを向けた。
「大我も注意しろよ…」
「あはは…すまん、すまん」
頭を掻きながら愛想笑いをする。
誰も宛にならないと改めて実感した。
「全くお前らは…呑気だなぁ」
「てか、勝手に飲んじゃったんだよねー
ちょっーと目を離した隙にというか?…すぐ止めたんだけどー……」
「ごめんらさい…みんながうらやましくて飲んじゃった」
「と、取りあえず今日のところはお開きってことで…」
碧ちゃんの一言で、散らかした物を片付けて帰ることにした。
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