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144 初めての発情期4〜腑抜けの俺〜
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遙side
今日は本当に気が入らなかったな……
ずっとココのことが頭をよぎって、今日あったことのほとんどは覚えていない。
バイトも自分の意識のないままにこなしていたみたいに。
あぁ。いつの間にか家だ…。
単位のかかった大事なテストもあるし、勉強だけはしなくちゃな。
でも、ココをたっぷり甘やかしてやりたい。
「ただいまー。……ココいるか?」
いつもなら、満面の笑みで飛びついてくるはずだが。
散歩にでも行ってるのか?
いや。猫化して散歩に行ったとしても、ノラ猫と間違われるからそんなに長く出歩くなとは言ってあるし。
「ココ?……ココ!?」
「んぅ〜?」
気の抜けた声が奥から聞こえてきて安堵する。
「どこにいるんだ?出ておいで」
「べっどぉ〜」
「よかった。どこかに行っちまったのかと思った。いつも飛び付いて来るのに、何かあったとのかと思った」
「んぅ……はゆ、おかえぃ〜」
布団から左手を伸ばして俺のシャツを掴む。
「ただいま…ココ」
床に膝をついて、ココの額にそっと唇を近づける。
嬉しそうに目を細めながら唇にキスを強請る。
「ふぁ…っ、んぅゃ、にゃ……あっ、ふっ」
耳やしっぽがぴょこんと飛び出し、舌を絡ませると尖った犬歯が俺の舌を掠める。
「ダメぇ、オレ病気だから、そんなにいっぱいしたらハルに移しちゃう…」
そう言って、肩で息をしながら俺の胸を押し返す。
「なんで?病気じゃないだろう」
「手足がビリビリするし、体が熱いの。ずーっとお尻がむずむずして、えっちな気分になっちゃう…オレ、病気だ……どうしようっ、ふえぇ…ぇっ!」
病気だ、病気だと言ってとうとう泣き出してしまった。
ココは自分自身が発情期に入っているという事が分かっていないようだった。
発情期になると、本能的になって相手を押し倒したり、
ネコ科フェロモンの分泌によって、甘い匂いをさせるから逆に襲われることもあるという。
「お前は病気じゃないよ。一時的なものだからすぐに治まる」
「ほ……んと?なんれ…?」
「お前は、発情期に入っているんだ。」
「はつじょーき?」
「そう。ココが赤ちゃんを産める身体になったっていうサインみたいなもんなんだ。
それで、今のような性欲が増して敏感な身体になってしまうらしい。
一週間程度で治まるが、好きな相手の精液を飲むか、注いでもらうとすぐに治まるそうだ」
「それって……ぇ、えっちするってこ、と?」
いつものことだけれど、躊躇するココ。
「そういうことだから。今夜は寝かさないからな?」
「で、でも!」
「心配するな。今夜くらいはいいだろ?気が付いてやれなかった俺にも非がある。
んじゃ、飯作ってくるから。寝るならもう少し寝てていぞ?」
「………そうする」
その言葉の意味を悟って大人しく布団に潜る。
ココの頬に軽くキスをして寝室を後にした。
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