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夢と現実②
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その後の授業は全く耳に入ってこなかった。
そして一時限目が終わり、二時限、三時限と時間が過ぎていく。佐木は、まだ来ない。
この時間にはいつも教室にきているのに。遅刻か、欠席か。
(風邪でもひいたのかな…)
心配になる。
先程の夢の中では、待っていたらちゃんと隣に来てくれた。あれが正夢なら、いいのに。
昼休みになっても、来ないので、きっと今日は欠席するんだと思った。多分風邪だろう。
心配だし、メールを送ろうと思い文章を考える。
佐木は、父親がおらず、母親と兄がいると言っていた。母も兄も、あまり家にいない人なのだと聞いたし、もしかしたら一人で寝込んでいるのかもしれない。
住所を聞いて、お見舞いしに行こうかとも考えたけど、風邪で苦しい時にズケズケと家に上がり込むのも図々しい気がしたのでそれは言わないことにした。
まだ家にあげてもらうほどの仲でもないし、もし聞いたとしても拒絶されるのが怖い。
いつかお家に呼び合えるような仲になれるといいなぁと、思いながら文字を打つ。
『風邪かな?はやく元気になってね。』
これだけでは短すぎる??
いやでも長すぎても読むの疲れそうだし…。
何回も何回も、消したり書いたりを繰り返し、結局先ほどの文に、
しんどいだろうから、返事いいよ。と一言添えて送信した。
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