アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
悶々②
-
「…これさ、本人じゃなくて、誰か違う人が打ったんじゃない?」
「じゃあ、やっぱり誘拐…?」
「いや、ただのイタズラだろ」
「………そうかな」
「うん」
納得できないまま時間がすぎ、
昼休憩終了のチャイムが鳴る。
「あーもう全然食べてないじゃん」
「あ、うん。それよりモモくんいつの間に全部食べたの」
僕の弁当は食べかけだったけれど、モモくんのはいつの間にか完食されていた。
「はやいでしょー。話しながらでも食べる手は止まんないんだよね」
爽やかな笑顔で弁当箱を片付ける。
「次は掃除の時間だし、裕貴も早く準備するんだぞ〜」
「はーい、急ぐよ」
そうは言ったものの、頭はずっと佐木の心配をしている。それをすぐさま察したのだろう。百城は倉橋に声をかけた。
「仲良くなりたいんだもんな。そりゃ心配だよな」
優しい眼差しが向けられる。
「きっと明日には来るよ。」
「もし来なかったら、明日一緒に佐木の家行ってみよう。付き合うから」
「…うん。ありがとう」
本当に優しい。
モモくんが同じクラスで良かった。
心からそう思う。
「あ、そういえば、勝手に俺の連絡先登録しといたから、いつでも連絡してね」
「え?」
急いで携帯を確認すると、電話帳には【百城和彦】と名前がある。
これまたいつの間に……
余裕たっぷりに笑顔を見せる百城の器用さが少し怖い。
それじゃあね、といって自分の掃除の持ち場に向かう百城。
モモくんの落ち着いた態度をみると
佐木もきっとオオゴトではないはず。心配は心配だけど、大丈夫だろうとおもえた。
いろいろ話せてよかった。
そしてモモくんもゲイだったとは…。
恋愛の相談相手が出来たし、嬉しい。誰にも言えなかった感情をわかってくれる人が出来たんだ。
清々しい気持ちと照れくさい気持ちで、ウズウズしながら、僕も持ち場に向かった。
ーーーーーーーーーー
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
30 / 79