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険悪
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そんなことを考えながら、こうして隠れて盗み聞きするのは良く無い事のように思えてきた。
お兄さんに自分から挨拶しに行ったほうがいい気がして、タイミングを伺うため顔を覗かせてみる。
ーーが、二人の間には何やら険悪なムードが流れていた。
(…兄弟喧嘩、かなぁ…?いや、でも…)
「何でさっきから黙ってんの?返事の仕方もわからないわけ?」
サキくんのお兄さんは、なぜだか苛立っているようだ。ついさっきまでの軽いノリとは打って変わって、声は低くなり眉間にシワを寄せている。
一方、サキくんはというと俯いて黙ったままだ。怯えているのだろうか。微かに肩が震えている。こんなサキくんを見るのは初めてだ。
眺めていると、どうもただの兄弟喧嘩とは思えない。更に耳を澄ましていると、聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。
「やっぱあんなんじゃ、“しつけ”が足りなかったか?」
「なぁ、ヒカル」
「そんなに喋りたくないなら、永遠に喋れないようにしてやるよ」
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