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不仲
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モヤモヤする。
学校についたけど、なんだかスッキリしない。
学校へ向かう途中、サキくんは何も言ってくれなかったし、僕は僕で何を言えばいいかわからなかった。
結局特に深い話はしないまま学校に到着してしまい、なんとなく気まずさを感じてしまう。
そんな僕には目もくれず、サキくんは大きなアクビをしながら教室に入っていった。
僕もその後に続く。教室内は既に登校しているクラスメイトたちの話し声でざわついていた。するとそのざわめきとは別に廊下から聞き馴染みのある声がした。
「ゆうき、おはよー」
「あ、モモくん」
言葉の通り、モモくんである。相変わらず爽やかな笑顔で好青年ぶりを発揮している。
「今日遅いんだな。遅刻ギリギリだぞー」
「ん。ちょっとね。」
長身の為、僕の顔を覗きこむようにして話しかけてくるが、威圧感は皆無。目が合うとニカッと笑って頭を撫でてきた。
「とかいう俺も今来たばっかなんだけどね〜…ってあれ…佐木きてるじゃん」
「あ、うん。今、一緒に来たんだぁ」
「え、一緒に来たの?」
サキくんのキンキラ頭を見つめながらポカンとしているモモくんに僕は若干照れながら頷いた。
「実はね、昨日僕の家に泊まったんだよ〜」
「…誰が?」
「サキくん」
「佐木が?!」
「うん!」
「…そう、なんだ」
目を丸くしながらボソッと呟くモモくんを見て、思わず笑みが溢れる。
先程までのモヤモヤはどこへ行ったやら。この時、僕の脳みそは単純なまでに舞い上がっていた。サキくんと過ごした短い時間を思い出し、今更喜びに浸っているのだ。
「…良かったね」
小さくそう言ったモモくんに、僕は誇らしげに話し続けた。
「うん!だからね、今日、朝ごはんも一緒に食べたんだよっ!それでーーー」
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