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ほしみっつ②
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「あ!そういえば」
パンパンに膨れ上がった頬に、更にタコのウインナーをつっこみながら倉橋が言った。
「サキくん、へなかが、いらかったんらよね?」
まんまるの目で俺を見るが、何を言ってるか、さっぱり分からん。
「食うか喋るかどっちかにしろよ」
俺がそう言うと、急いで口の中のものをゴクンと音を立て飲み込んだ。そしてちょっとむせてから再び話しだす。
「サキくん、背中のケガ、痛かったんだよね?」
言いながら眉毛をハの字にして俺を見る。
「凄い嫌そうに、ももくんの手叩いたもんね。触られて、痛かったんだよね?」
困った様な、悲しい様な顔をする。なんでお前が痛そうなんだと言いたくなったが、そこは特にツッコまなかった。
倉橋の言ったことは、正しい。あれはまじで超痛かった。クソノッポを本気で殺そうかと思ったくらい。
それはそうだけど。
素直に頷くのは性に合わないと思った俺は、わざとらしく顔を背けてみせた。
「…は、別にそんなんじゃねえよ。元からあのノッポの事は嫌いだったし。うっとおしいと思ってたんだ」
「……ホントに?」
「そうだよ」
「…そっかぁ」
そう言うと、倉橋が俺の背中をまじまじと見つめはじめた。黙ったまま、表情なく、じーっと。
何をしてるんだろう。
分かんないけど、何だか嫌な予感が頭を過る。
…ま、まさか!こいつ…!
心の中でそう思った瞬間ーー。
「痛ってェ!!!」
バシッという音と共に、体が大きく跳ねた。鋭い痛みが背中に走る。倉橋に思いっきり背中を引っ叩かれたのだ。背中に響きわたる痛みに思わず肩が跳ね上がる。
大きな反応を見せた俺を見て「やっぱり痛いんじゃん」と真顔で言う倉橋。
「…お、お前、ほんっとありえねえ!」
若干涙目になりながら「いきなり何するんだよ!」と怒鳴ると、「だって…」と口をすぼめ、急にしおらしくなった。
「痛くないって言ってたから…」
「誰も痛くないとは言ってないだろ!」
「…う、うーん」
「うーんじゃねえよ!」
目尻に涙を溜めながら睨みつけると、「ごめんね」と申し訳なさそうに謝った。
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