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Epilogue
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--思い出すのは永遠の別れ
あなたの羽の様な純白の雪に包まれた世界
けれど私のせいで赤く染まっていた。
己を責めているのか辛そうな表情で私を見つめる、あなたの泣き顔。
意識が消えゆく私を引き留めるかの様に強く抱きしめる、あなたの腕。
何度も何度も私の名前を叫ぶ、あなたの声。
そんなあなたに、私はそっと微笑んだ。
本当は抱きしめ返したかったのだけど、生憎と体が動かなかったのだ。
「………ゆ…ぇ……」
そんなに悲しまないで
あなたに出逢えて、私は幸せだったのだから
例えあなたに出逢わなければこうならなかったという未来があったとしても、私はあなたと出逢う事を選んでいた。
何度だってこうなる未来を選んでいた。
そう想って、私は微笑む。
けれど今の私の想いは、あなたに届かない。
どうにかして伝えたいのに、あなたに届かない。
あなたはこんなに、こんなにも近くにいるのに…
だんだんと瞼が重くなり、あなたの姿が闇に包まる。
強く抱きしめる腕の感触は消えてゆき、私の名を呼ぶ声は小さくなる。
ゆっくりとあなたの存在が消えてゆくーーーーーーーーーーーーーーー
これがエウディケの最期の記憶
ただ、ただ、あなたの幸せを願っていた。
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