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花火と焼きそば
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「屋台めっちゃ混んでて時間かかっちゃったよ」
「おつかれ!一人で買わせてごめんな」
「大丈夫大丈夫!もうすぐ花火始まるよ」
翔は俺の手を引いて花火の見えやすい位置まで移動した。
ちょうどその時
ドンっという心臓まで響く音がして
夜空に巨大な花が咲いた。
「すご…」
「うん、綺麗…」
二人で花火に見とれていると、
ぐぅぅぅぅ〜〜
空気読めよ俺の腹!!!
翔は吹き出して笑いながら屋台の焼きそばを差し出してきた。
「せっかく買ったし、見ながら食べよっか」
「うん////」
焼きそばを食べながら花火を楽しむ。
「あ、優ソース付いてる」
「え、どこ?」
翔が自身の口元を指すので同じところをゴシゴシと袖で拭う。
「取れてないよ」
そう言って翔がぐっと顔を寄せてきた。
近づいてくる顔に思わずドキッとしてしまう。
翔はすっと手を出して俺の口元を拭った。
「ん、取れた」
「…ぇ、ああ、ありがと」
…キス…されるかと思った…
未だに心臓がバクバクいってる
ふー、と息を吐いて動悸を治めようとする。
「優、こっち向いて」
「ん?ん、」
翔の手が俺の口を覆い、その手に口付けた。
「…!」
翔の睫毛の付け根が見えて、キスの距離の近さに驚く。
いつもはつい目を瞑ってしまってたから知らなかった。
翔と目が合い、途端に恥ずかしくなって顔を離した。
すると翔の手が俺の後頭部に伸びて、またグッと引き寄せられた。
胸に俺の頭を押し付けて、強く抱きしめられる。
「いつか…優とちゃんとキスがしたい…」
俺を抱きしめる力が強くなるのを感じた。
「うん…」
「優、大好きだよ」
俺も翔の体に回した手に力を込める。
「俺も…翔が好き…だ」
最後に打ち上げられた一番大きな花火は見ることが出来なかった。
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