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モヤモヤ 2
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校門を出たところで、息を切らした優は走るのを止めた。
「…祭りの日、どうして夏木に会ったの?
名前知ってるくらいだし、何かきっかけ…とかあったんでしょ?」
まだ肩を上下させて息をしている優に問いかける。
たとえ神社に人があまりいなかったとしても、ただすれ違っただけで名前まで教えあうほど話すのは少しおかしい。
優は赤の他人と出会ったばかりでそこまで話し込んだりする性格じゃないし。
生じてしまったモヤモヤはなるべく早くスッキリさせておきたかった。
すると優は一瞬苦い顔をして口を開いた。
「…あの時、男に絡まれて、そいつら追い払ってくれたのが夏木だった。
助けてくれたんだし、まあ少しは話したし、名前も聞かれたから答えた。別に隠す必要もないし」
「それだけ…?」
「それだけ!!」
一瞬苦い顔をした優を見て、ドキッとしたが、杞憂だったようだ。
ホッと安堵のため息をつく。
「何笑ってんだよ」
見ると訝しげな目で俺を見る優。
いつの間にか口元まで緩んでいたらしい。
「いや、ちょっと安心しただけ…浮気とかされたらどうしようかと思ってたからさ」
「するわけねえだろ!」
「でも優はもっと気をつけないと。
男に絡まれたって…」
「そ、それは…少し油断しただけだ」
下を向いて口を尖らせる姿が可愛くて、思わずまたにやけてしまった。
「いいよ。これからは俺が優を守るから。」
優の頰に手を添えるとカァァと顔が赤くなった。
「〜〜〜//// か、帰るぞっ」
ズンズンと大股で歩いてく優の後ろを歩きながら家路についた。
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