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昼 2 (翔side)
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屋上で四人で昼飯を食べていると、一人の女子が近づいてきた。
「夏木君、大事な話があるんだけど、いいかな?」
見るとその人は、モデルをやってる2年の女子だった。
何を言われるのか予想はついているのか、夏木は無表情でついていった。
「やっぱすごいね、何人目だろ」
「もう5人目くらいか?」
「俺からしたらお前らもすごいけどな。俺なんて一回もねえよ!告られたことなんて!」
確かに俺も拓哉も何回か女子に告白されたことがある。でもモテるのは俺らだけじゃない…
優は優しい。
本人も無自覚でさりげなく心遣いが出来る。
そんなさりげない優しさに気づく奴も結構いるわけで…
本人は嫌がっているが、その中性的な顔立ちや、男子と女子の平均のちょうど真ん中をいくくらいの身長
いわゆる可愛い系男子?
それでいて性格は決して女々しくなく、むしろ義理堅くて男らしい面も多い…
…つまり、優は男にも女にもモテる。
だが色目で優を見る奴は皆俺が目で牽制してきた。相手が女子なら、わざと俺に目がいくようにした。
告白する隙なんて与えない。
まあ優はそうゆうのとことん鈍いから全然気づかないんだけどね
「いや〜、でも夏木、あの先輩断わるのかなー。あの人プライド高いし、うまく断らないと後々面倒くなりそう」
そんなことを優が言っていると、ちょうど夏木が帰ってきた。
「はー、ただいま」
「おかえり。なんだった?」
「告られた」
まあそうだよね。
そこは予想を裏切らない。
「それで?」
「それでって?」
「返事だよ!なんて言ったんだ?」
「もちろん断ったよ。
大体いくら顔やスタイルが良くても初対面の人に告られてOKするわけないじゃん。
僕好きな人いるし。
まあそんな感じのことをオブラートに包んで断っといた。」
それはまた…先輩もプライド崩されても言い返しにくいような返事だな
その辺やっぱ慣れてんのか
…ってか
「夏木好きな人いたんだ
帰国したばっかだしまだいないのかと思ってた。遠恋?」
「いや、こっちに来てから好きになったんだよ」
「マジか!こっち来てからってまだ一週間じゃん!一目惚れとか!?」
「あー、それもあるかな。
でもまあ、初めて会ってからはもう3週間くらいたってるけどね」
…ん?3週間って…
祭りくらいの時…?
…もしかしてこいつの好きな人って…!
ハッとした俺に対して、当の優は全くその可能性に気づいておらず、話題に食いついていた。
「へーー告白とかしねえの?
お前に告られて断る人なんてそうそういないと思うけど」
優…!なんでそんな発言こんなタイミングでしちゃうかな…!
話題を変えないと…
しかしこういう時に限って頭には何も浮かばず、口からは何も出てこない。
夏木は優の発言に少し間をおいて、決意したように顔を上げた。
「よし、決めた!ちゃんと自分の気持ち伝えるよ!」
「おう!がんばれ、よ!?」
夏木は優の腕をグイッと引き寄せ、バランスを崩して自分の方に倒れてきた優に、
キスをした。
「 僕は、優が好き 」
目を見開いて固まった優
その優の目を真剣な眼差しで見つめる夏木
ぽかんと口を開けている拓哉
…止めようと伸ばした手がただ浮いている俺
沈黙が流れた。
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