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電話
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鳴っていたのは、俺のケータイだった。
着信音を聞いて、中岡が部屋の隅に落ちていた俺の鞄からケータイを取り出す。
スマホの画面を見た中岡はニヤリと笑って、
「あぁ、お前今一緒に住んでるんだってな。
星野翔と」
”翔”と表示された画面を俺に見せてきた。
「!!返せ!」
拘束されてろくに動けない体で暴れると、鎖が煩く音を立てた。
すると男が突然ガッと俺の口を塞ぎ、壁に押さえつけた。
「返すわけねえだろ?おい中岡、電話でろ」
「了解です」
中岡は通話ボタンを押し、スマホを耳に当てる。
少しでも声を出そうと必死で暴れるが口を押さえる男の手からは逃れられない。
「静かにしろ」
男は冷たい声で囁くと、容赦なく鳩尾に膝蹴りを食らわした。
「ゔっ、ガハッ」
一瞬息ができなくなり、苦しさに咳き込むが口が塞がれて咳すらもうまくできない。
肺に空気が逆流するような感覚で吐きそうになった。
そんな中、中岡は電話に出たが、俺の脳には酸素がうまく回らず、目眩で中岡が何を言っているのかも理解できなかった。
ようやく苦痛から解放された時には短い電話は終わっていて、翔が一体何を聞き、何を言ったのか、何もわからずただ途方に暮れていた。
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