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うそ、………幸くん?
ドアの窓から見えたのはカウンターごしにマスターと向き合っている幸くんだった。
なんで?今日は幸くんが来る日じゃないのに。
『座れよ』
ドア越しにマスターの声が聞こえた。
『…はい。ありがとうございます…さっき、新見さんの他に誰かいませんでしたか?』
幸くんがカウンターの席に座りながらそう言った。
新見さん…て、もしかしてマスターのことだろうか。
『あぁ、今日だけアルバイト。外の看板見たろ?ランチ始めるんだよ』
『アルバイトですか?新見さん、アルバイト雇う気ないって言ってませんでしたか?』
『今日だけって言ったろ。…まぁあの子だったら頼みたいね。長期でも』
え…前に経験があるからかな?
ていうか、マスターと幸くん結構親しげだな。そういえば後輩って言ってた。
マスターの口調とかも若干砕けてる。
『へぇ。新見さんが気に入るってことは面白い子なんですね』
お、面白い子…?てか、おれは別にマスターに気に入られてるわけじゃないと思うんだけど。
『んー、面白いというよりは…かわいいね』
……またかわいいとか…マスターはおれのことからかってるんだ。きっと!
『かわいいって…女の子ですか?……』
『…女の子だったらどうすんの?紹介しろって?』
…そっか、幸くんはもうおれと別れたから浮気とかなんにも考えなくても普通に女の子とでも男の子とでも付き合えるし、恋愛ができるんだよね。
あー…どうしよ。さっきまでは結構平気だと思ってたのにまた涙が…
『なに言ってんですか。俺、昨日振られたばっかりですよ。そんなすぐに遊べるほどタフじゃないですから』
え…
『…お前、』
『そういえば…昨日理汰、あの後…ちゃんと帰りましたか』
何、
『…俺、振られたのなんか初めてだったんでなんか実感がわかなかったんですけど、』
幸くんは、
『結構きついですね』
なんで、そんな風に傷ついたような、事を、
『………幸、お前なんで振られたかわかってるよな?』
マスターの声が、いつもより低く冷たかった。
『俺が浮気してたからですよね?』
それを、分かってて…
どうしておれに振られたから、辛い、みたいな、
『確かに浮気してたことは悪かったと思いますけど…理汰、全く何も言ってこないし…それに昨日あの場で何を言ったってあいつは信じてくれなかったでしょうし』
『俺は理汰のこと嫌いじゃなかったのに』
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