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羽化~翅翼~ 其の肆
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「仲影……」
不安げな声に優しく笑いかける。初めての事なのだ、不安に思わないはずがない。
「大丈夫。伯岐を傷つけるようなことを、私はしないから」
なるべく怖がらせないように、優しく囁いて抱き締める。最初に傷つけたせいで、この行為に嫌悪感と恐怖心を抱いて欲しくはないのだ。伯岐は静かに頷いてくたりと力を抜く。私を信頼しきってくれているのが嬉しい。
香油でぬるつく手で猛った己のそれを数回なぞりぬめりを移し、伯岐の蕾に押し当てる。そっと、力を入れていく。十分に下準備をしたからだろうか。時間をかけてだが、さして抵抗なく私のものが飲み込まれていく。
結合部の卑猥さに目を離せなくなる。すべてが伯岐の中に収まった。そこは熱くて私を離すまいときゅうきゅうと締め付けてくる。伯岐を見遣れば、声を出すまいと口に手を当てて声を押し殺していた。
「駄目だよ、伯岐。君の可愛い声をきかせてくれ……」
「や……でも、っあ……!」
恥らう伯岐は可愛いが、私はあられもなく鳴いてくれる伯岐が見たいのだ。伯岐の口を覆っている手を剥がし、結合を深くする。私のものを受け入れて広がる蕾のふちをなぞってやれば強く締め付けられた。
「あ、あ、ああっ……!」
「伯岐。今私と君は繋がっているんだよ」
「あ……」
伯岐は頬を染めてそこを見遣る。ぼんやりと私を見つめ嬉しそうに笑うその姿の破壊力は絶大だ。私と伯岐の腹の間で切なげに揺れる伯岐の純真なそれを優しく愛撫すれば、蕩けた声をあげて悶えた。
「動くよ、伯岐。指で見つけたいいところを擦ってあげるから。きっと気持ちいいよ?」
「あ……きもち、いいの、もっと……!」
伯岐の目はとろんと溶けていてもしかしたら何を口走っているかもよく分かっていないのかもしれない。娼婦のようなその淫らなさまに頭がおかしくなりそうだ。ずるずると少し抜いてはまた結合を深くするのを繰り返す。
「あ、あ、あ、あっ……あん……うう……」
「抜かれると堪らないだろう?」
「あっ、あん、いい!きもち、い……!」
「っく、伯岐……!」
高い声で鳴く伯岐の強烈な締め付けに思わず呻く。荒い呼吸をする伯岐は無意識にだろうか、ゆらゆらと腰を揺らめかせていた。飲み込みきれず零れる唾液がまた艶っぽさを演出している。指で探って見つけた其処を執拗に刺激すると快感のあまり目に涙を溜めている。
「や、あ、きもち、い……!あっん、へんに、なるぅ……!」
「は……っ、く、伯岐、伯岐……!」
頭がおかしくなりそうだ。腰の動きを速めて、伯岐の中を堪能しながら後ろだけでは達することはできないだろうから、前にも刺激を与えてやる。濡れた声をあげていやいやをしている。もう限界なのだろう。私も伯岐の中が気持ちよすぎてそろそろ達してしまいそうだ。
「伯岐、中に……!」
「あ、あ、あ、ああああ―――っ!」
伯岐は身体を硬直させ、愛撫していたそれから欲望を己の腹の上に吐き出しくたりと脱力した。私も伯岐の中に濁ったそれをぶちまける。何を話すでもなく、ただ部屋の中には荒い呼吸だけが響く。
伯岐は無意識にだろうか、私の欲望を受け入れた腹を愛おしそうに撫でていた。
流石にもう一戦は伯岐の身体が持たないだろう。ずるりと萎えたそれを伯岐の中から抜く。ずるずると私の放った欲望が零れて、それがまた欲望をそそる。しかし、君子たるものこんなところで欲望に負けてはいけない。
「どうだった……?」
「ん……、とっても、よかったです」
「また、したいかい?」
「……はい」
猫のように私に擦り寄る伯岐が愛おしい。清潔な布で伯岐の中まで清めてやると、伯岐は頬を染めて私を見上げていた。伯岐を抱き締めて掛布をかぶる。腕の中の伯岐がそっと囁く。
「仲影、すきです、あいしています……」
「ああ、私もだよ。……おやすみ」
額に唇を落とし、二人夢の中に落ちていった。
……夢の中でまで伯岐を抱いていただなんて、伯岐には言えそうにもない。
羽化~翅翼~ 了
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