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GENESIS -創世記- 更新再開。右の注意書きを最後まで読んでください。
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…バキィッ!!
「…汚ねぇ手で、俺に触るんじゃねぇよ。」
鈍い音。
それは、金髪の男が少年の顔を左脚で蹴り上げた音だ。
少年は口と鼻から血を吹き出し、また地面に堕ちた。
「知ってるか、セルヴィタス。お前達が俺たちパトリキに殺されたってな、全ては【事故】。俺たちには関係ないんだよ。」
「……。」
「昔から決まってんだ。セルヴィタス(奴隷)はパトリキ(貴族)の玩具。黙って従うしか道はない。」
金髪の男は右脚を上げた。
真下には少年の頭。
少年はピクリとも動かず、すでに意識は無いようだ。
「…それが分からねぇなら、壊れろ。欠陥人形。」
「…ねぇそれ、辞めません?」
「…あ?」
金髪の男の足が止まる。
男たちは全員ゆっくりとこっちを向いた。
「…なんだよ、てめぇ。」
「そこで寝てた、ただの一年です。」
「俺らがなにしてんのか、分からねぇのか?!」
「リンチでしょ?…煩くて、眠れないんですよねぇ。それに、その足でその子ヤっちゃうと救急車来るでしょ?それも煩くて面倒だから、辞めてくれないかなぁ、って。」
「ふざけんてんじゃねぇよ、てめぇ!てめぇもヤラれてぇのか!」
少年を助けたいとか、
それは犯罪だとか、
そんなくだらない正義感は毛頭ない。
ただ、
面倒
それだけだ。
「俺はそんな趣味ないんで。」
「てめぇ!セルヴィタスだろうが!パトリキに逆らってんじゃねぇよ!」
「俺、その階級にも興味ないんで。とりあえず、今眠いんですよ。」
「はっ!じゃあ、永久に眠らせてやるよ!」
肌の焼けた男が、拳を振り上げ俺に向かって来る。
笑みを浮かべた表情で。
…バチィッ!!
「…すみません、辞めてやって下さい。先輩。」
男の拳を受け止めたのは、仁。
俺と男の間に立って、見事に男の拳を手のひらで受け止めていた。
「こいつ、中途入学なんで、よく分かってないんッスよ。」
「仁!…てめぇが居てこのザマか?!」
「すみません。よく言っときます。」
「ふざけんな、そいつゲヘナに..「やめとけ。」
激昂する肌の焼けた男の言葉を遮り、傍観して居た男が口を出してきた。
「あ"ぁ?なんでだよ?!」
「確かそいつ…アザゼルの弟だ。」
「!!」
「仁、お前も確かプレブス(平民)に上がったんだよな。」
「…はい。」
「誰に昇格を許された?」
「……。」
仁は肌の焼けた男の手を離し、俺の前に立ちすくむ。
俺の視界は、仁の背中に遮られた。
「何を画策してんのか知らねぇが、タダで済むと思うなよ。」
「………。」
「俺たちに逆らうことは、アダムに逆らうことなんだ。…お前達、生きて行けねぇぞ。」
傍観して居た男は金髪の男の肩を叩き、そのまま出口に向かって歩き出した。
すると、金髪の男も無言で出口に向かって歩き出した。
「…クソッ!……つまんねぇな。」
肌の焼けた男も出口に向かって歩き出した。
フワリと、爽やかな風がまた通り抜ける。
髪を乱していく、心地よい風。
しかし、目の前の仁の背中には
ジワリと
汗が滲んでいた
、
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