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息子/響側(過去)
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この日、おじさんは初めて男の子をつれて現れた。歳はだいたい同じぐらいでキリっとした目と薄い唇が印象的で、こういう人が俗に言う色男になるんだろうなって子どもながらに思った。
「今日は私の息子を紹介するよ、ほら隼人、挨拶しなさい」
「竹田隼人です...宜しくお願いします」
まるで機械的で感情のこもっていない棒読みの自己紹介にその場が一瞬凍りつく
「今日1日、隼人も施設の皆んなと生活するから仲良くしてあげてな」
それを捨てゼリフにおじさんはとっとと帰ってしまい、残された隼人って子は棒立ちしたまま何処か一点を見つめていた。
皆んなが声をかけても無反応な隼人は次第に皆んなに相手にされなくなった。
「なんで、皆んなと仲良くしようとしないの...?」
あの人の息子となんて関わり合うなんて出来ればしたくなかったけど、1人ぼっちでいるのを可哀想に感じて思いきって声をかけてみた。だけど結果はやっぱり反応無し...
「1人って怖いし、寂しくない?」
俺は無視されても話しかけ続けた。
すると...隼人はやっと口を開いて一言
「あの男は養子が欲しいんじゃない、自分の思い通りになる、オモチャが欲しいだけ」
って言ったんだ。
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