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急ぎ/俊彦側
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いつものようにネクタイを結び、
きっちりとしたスーツを着て、
温かいコーヒーを飲みながら
スマートタブレットで経済の動きを確認する。
後は毎朝、私を迎えに来てくれる運転手を待つだけだ。
仕事は思いの外順調だ。
大きなプロジェクトも成功しそうで大いに
満足している...
はずなのに私の心の中は平穏ではなかった。
すぐに戻ってくると
気長に待とうとそう思っていた。
いつになったら帰ってくるんだ?
お前は私のものだ
あの時、契約を結んだあの頃から
そんな事を考えていると
ガチャッと玄関の扉が開く音がした。
「帰ってきたのか!?!?」
と、思わず声に出して言ってしまったところで目の前の運転手と目が合い酷く後悔する。
不覚だった。
一瞬、キョトンとした顔をされたが、直ぐに表情を整え、
「...?おはようございます。お迎えに参りました。」
と軽くお辞儀をされる。
「後、これが本日郵便ポストに入っていたものです。」
毎日、この運転手には下のポストに郵便物が入っていたら取ってくるように頼んでいるのだ。
「あぁ、ありがとう。」
私はそれを受け取るとそれを早速、見始めた。
その中で
見覚えのある字が私の瞳に映った。
差し出し人の名前は書かれては居なかった
が、間違いない。
この少し癖のある字...
直ぐにその封筒を開け、中身を取り出す。
内容を確認して私は青ざめた。
「今日は会社に行く前に寄って欲しい所がある」
「どちらへ?」
私が行き先を告げると運転手は疑問に感じたようで不思議そうな顔をしたが、それを口に出すことはなく、「かしこまりました」と返事をする。
急がなくては...
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