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寂しさ
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バレー部は皆強い人ばかりで、僕はレギュラーに入れたけれど山口は入れなかった。
山口は僕や日向、影山の前、そして先輩たちの前では楽しそうにしている。
でも一年の中で山口だけがレギュラーではない。
きっと悔しくて辛いだろう。僕は体育館の裏で山口が泣いていたのを知っているから。
山口はコーチが連れてきた町内会チームとの試合の後から少し変わった。
あのジャンプフローターサーブを習得したいといって、嶋田さんに教えてほしいと頼みに行ったらしい。
部活が終わった後の帰り道。嶋田さんの所に行くといっていつも隣にいる山口がいなかった。
それだけでなんだか寂しかった。
でもいつもみたいに騒がしくないからそんなことを思ってしまったのかも。そう自分に言い聞かせて歩を進めた。
次の日も、その次の日も山口は部活が終わった後、
「じゃあねツッキー!」
といって慌ただしく嶋田マートへ向かった。
山口が決めたことだから、僕には止めることが出来なくて。
ちりちりとした寂しさを胸に感じながら山口を見送るしかできなかった。
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