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早朝
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『Kさまへ。心よりの感謝を込めて』
夜がほの白く明けようとしている。
この部屋から見下ろす街の景色が好きだ。
特にこの時間。
夜景もいいがこの時間は、まだ人の営みがほとんどない感じがする。
そこが好きだ。
「起きたのか」
寿一の声。
振り向くと、寿一が半身起こしていた。
半裸。
身につけているものは、俺と同じでスエットの下だけだ。
「横が空だと眠れない」
嘘つけ。
さっきまで、かーかー寝息立ててたくせに。
ん?
何で微妙な表情してる?
「そこにそうして立ってるお前が…絵になりすぎる…というかその…」
ふっと視線を落とす。
俺は笑む。
ちょっと声色で言ってみる。
「福チャーン。俺ら夜っぴて四回したんじゃなかったアァ?」
「そう…だが…」
「まだまだ食い足りないってかィ?」
言いながら、豹のように、肩を揺すってベッドに上がり、四つ足で寿一にのしかかる。
「俺欲しいの? 欲しいならやんヨ? ドスル?」
どっかの誰かを真似てやる。
でも寿一は、そんなの全く望んでいなかったようだ。
「そういうのは欲しくない。欲しいのは、『新開隼人』だ」
真下からまっすぐ見つめられ、俺の心臓はいきなり早鐘のように打ち出した。
「俺はおまえを待っていた。間違いなく、おまえだけを待っていたんだ」
言うなよ。
おまえが衝動的なのは俺、ちゃんと知ってる。
知った上で、おまえにイレ込んで…
俺、ほんとバカみたいじゃないか。
泣き出しそうな俺を、寿一は抱いたまま、くるりと反転して位置を入れ替えた。
「おまえだけが、俺のものだ」
キスが降りてきて、俺の唇を塞ぐ。
緩く結んだスエットの紐が解かれ、寿一の武骨な手が、中へと滑り込んでくる。
触れられただけでびくんとなって、俺は恐れる乙女のように、全身に力が入ってしまった。
「鬼と呼ばれた男が、まるで乙女だな」
「るせえ」
悪態をつきながら、されるままに任せる。
寿一の手が、ゆっくり俺を揉みしだき、俺の男を起こしにかかる。
屹立が、透明な露を宿すと、寿一は俺を弄ぶ手を止め、ちょっと笑って俺に聞いた。
「さあ、どうしてほしい」
どうってこのやろ、じらす気か。
「おまえがこいつを可愛がってくれるなら、雌犬みたいに扱ってやる」
うわあ、そういうの…
『引くわぁ』って思いたいのに、俺は素直に寿一のを含む。
喉の奥まで導いて、舌先で刺激し続けると、むくっと寿一がサイズアップする。
「いい子だ」
俺がより大きくしたそれが、秘密の場所に宛てがわれ、突かれると、俺の躰は俺の思い以上にときめいて、寿一のそれを一気にのみ込んだ。
自分のなかがうねるのが、自分自身にさえわかる。
こんなにも俺は寿一を…
「寿…一…」
「隼人…隼…ああっ」
寿一がスパークし、俺のなかに散る。
寿一…
涙が出る。
自分がイッてないのに、俺はまるで本当の女みたいに嬉しくて、愛しくて、再び寿一のものに、寿一だけのものに戻れた自分の幸福に酔ったのだが…
「やっぱ隼人が一番だ」
「!」
何が気分がカチンとなった。
「誰と比べて一番なのかなー?」
ぎくっと寿一が固まる。
俺は黙って部屋を出る。
この日から丸十日間、寿一は全てをー人でこなす羽目となり、結果的に重要な単位を一つ落とす羽目となるのだが、もちろん俺の預かり知らぬことである。
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