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妹の事情
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「はぁ……。」
次の日、僕、城川奏太(しろかわかなた)はいつも通り高校へと行くべく、いつもとは違う通学路を歩いていた。
目的地はそう、妹の学校である。
(僕これでも男なのに…なんで女の子のかっこしてんだろ…。)
下がすーすーする。
ウィッグのサラサラロングをなびかせて、少し下を向きながら歩く。
メイクもばっちりで、完璧に女装が趣味の変態さんになってる。
もちろん理由は簡単。妹に頼まれた…いや、泣きつかれた…いや、縋られた…いや、脅された……。要は、全部である。
「代 わ っ て!!!!!!」
そう叫んだ彼女は、事情を話し始めた。
「あのね、目を付けてた男子がいたのよ!!!鼻が高くて、目はキリッとしてて、クールでとにかくイケメンで…ええい!写メの方が早い!!…これ!これこれ!!我ながらベストショット…。とにかく!そいつと付き合ってみたかったわけ!!!割と良い雰囲気だったし?打ち解けてきたと思ったのに???あいつ!あたしのこと振りやがった!!!!しかもね、理由が、理由がよ??『友達としてなら問題ないけど、付き合うなら処女がいい』だったのよ!!!あり得ないほんとあり得ないあいつ!!!!!!そこであたしは考えたわけ!!!これは何がなんでも付き合ってやろうと!!!そしてあたしのことを好きにさせてみせようと!!!!でも正直?あいつの好みはおっとりふわふわ系だし??あたしにはむり!!!!ってことで、お兄ちゃん、頼んだ!!!!!!!」
嫌だ嫌だととにかく首を横に振る僕を、なだめ、すかし、最終的には脅迫して(内容はとてもじゃないけど言えない…)、妹は
「男漁ってくる!!」
と僕の学校へ向かったのだった…
しかも妹の好きな人を振り向かせなきゃいけないなんて…そんなの僕にだってできないし、何より相手に失礼だと思う。
昨日の夜、必死に考えた結果、「お話したりがんばってみたけど、やっぱりそんなことできなかったよー作戦」でいくことにしたのだ。
それでもやっぱり妹の交友関係だとかはおにいちゃんとして興味があるわけで…(いざというとき、守ってあげなくちゃいけないからね!)
つまり問題は、女装と、それがばれちゃうことだけなのだ。
しかも妹の普段のかっこうだから、スカート短い!メイクはばっちし(妹がやってくれた。「ナチュラルメイクにしといたよー!」だそうだ)!
恥ずかしいのなんの…
もう割り切るしかないのかな。
とにかく、妹のお友達については事前に写メとセットでいろいろと教えてもらったので、僕はくぐり慣れない校門を通って、妹のクラスへと向かった。
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