アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
高牧晴くん
-
一時間目が終わるころに、その人はやってきた。
授業中なのにガラガラっと大きな音を立てて前の方の扉を開け、気だるげに入ってくる。
そんな彼は、写真で見た通りの整った顔、金髪、髪型、ピアス。
それなのに、写真の中の彼とは別人のように思えた。
だって、気だるげなのになんだかとってもキラキラしてて、眠そうなのに輝いてる。
高牧、晴くん。
(たかまき はる)
「きれい…」
見とれて思わず、少しだけだけど声に出してしまう。
そこで一瞬パチっと目が合った気がして、でもすぐに逸らされた。
「あり、今日は早いなぁ。
最近は4時間目終わるころにやっと来るかんじなのに」
そうちぃがボソッと隣で呟く。
晴くんは先生に軽く注意を受け、でも無視するように前の方にある自分の席についた。
光を受けて反射する、うつ伏せになって寝ている晴くんのきれいな金色の髪。
授業の残り時間、ぼくはそれを見つめることしかできなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 104