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遅刻の理由
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「おっ!おはよー!」
相も変わらず元気な笑顔でにこにこしているちぃ。
けど、教室の雰囲気は昨日とは全く違った。
出入り口のあたりに人だかりができている。
「おはよう!なんだか今日は騒がしいね?
どうしたの?」
「あははっ!あのねー、今日は晴がもう登校してるんだよ!いつもは遅刻してくるのに。
ま、あいつが遅刻してくる理由はあれ、なんだけどね!」
「あれ…?」
「だからあ、女子に囲まれちゃうの!
イケメンも大変だねー!可哀想に。
でもめんどくさいからいつもは遅刻してくるらしいよー」
「そうなんだ…」
扉の奥に、晴くんの綺麗な金髪が見えてドキッとする。
「ま、あいつも悪いよねー。
夜のお相手は見境ないからさ、みんな抱いてもらおうと必死なんだろうなー」
「よっ、夜の…!?
抱く…っ!?!?」
ちぃ、朝からなんて破廉恥な事を…!
(一応僕だって男子校に通ってるものだから、抱くくらいの意味は知っているのです!)
「ひひ、奏太くんにはちょーっと刺激が強かったかなー?」
悪戯っぽくにーっと笑ってこっそりと僕をからかってくるちぃ。
「や、やめましょう!!!
そんな破廉恥なこと言うの良くないです!!!!」
「は、破廉恥…?
そんな言葉久しぶりにきいた…ッ!!」
何かがツボに入ったのか、ちぃは爆笑し始めた。
ひーひー言って苦しそう。
そんなちぃを横目に、僕は「夜のお相手」という意味について考えていた。
…やっぱり、そういうことなのかな。
色んな人と、えっちなこと、してるってことなの?
そんなの!だめだよ!!!!
よくわからない怒りがこみ上げてきて、人だかりの方をにらんだ。
丁度そのとき。
「どけ、うるせぇんだよ」
晴くんの氷のように冷え切った声が聞こえて。
人だかりの中から晴くんが出てきた。
「ありゃー…げきおこだねあれ」
そう言うちぃの言葉は僕の耳には入らず、僕は更なる怒りのまま席を立った。
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