アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
知らないおじさん 千夏side
-
その後奏里の「殺した」の意味が、2人から戸籍を奪い、母親はブタ箱、いわゆる強制労働施設へとぶち込み、子供はいかがわしい店に引き取らせたということだと知った。
そのときは拍子抜けしたものだったが、今となっては安心している。
それから私はリハビリにリハビリを重ね、普通に走れるレベルには回復した。
ただし、酷使はできない。
ずっと全力で走っていたため、既に膝がとても痛む。
___それでも、私は奏里を支える手足だから。
無茶してでも、音楽室へ!
ようやく扉の前に立つ晴が見えて来たとき、私とは逆側の廊下から近づいてくる人影が見えた。
1人は、奏里。
ようやく来てくれたかとほっとする。
もう1人は…、誰だろう?
知らない、おじさん。
「ちぃ、ありがと!
早く開けてあげて。晴が我慢の限界みたい」
「、ハァッ、了解!」
鍵を開けると、一番最初に音楽室に入ったのは知らないおじさんだった。
「千夏ちゃん、ワシからもありがとう」
「あの、あなたは…?」
「『シロカワ』の傘下の『キタムラ』の頭領、…そこにいるバカの父親じゃよ」
おじさんが顎で示した先には、崩れ落ちている北村の姿。
なにがあったのかはわからない、が、なんとなく察す。
「…奏太!!!!!!!」
晴が奏太くんを見つけると同時に、奏太くんに駆け寄った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
54 / 104