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我慢
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「俺は納得してねーよ」
北村さんたちが出て行った後、晴くんは僕にそう言った。
「嫉妬したからって人を傷つけていいわけねーだろ。
それに被害者が忘れてるから許されるなんてそんな問題でもない。
何より、お前が一番傷付いてんのに、何事も無かったかのように笑ってるのが気に食わねえ」
「え、ぇと、ごめん、なさい」
覚えていないものは覚えていないんだから仕方ないじゃん!って思うけれど、ちょっと怒った様子の晴くんに謝ることしかできない。
真っ直ぐな目を見ていられなくて俯くと、深いため息が聞こえた。
(や、やっぱり、怒ってる…)
どうすればいいんだろう、と頭を悩ませていると。
ぽすん、と頭に何かが乗せられた。
「…そうじゃなくて。
わりぃ…、お前が傷つけられたってのが、未だに我慢ならないだけ」
ガバッと頭を上げると、僕の頭に伸ばされた手。
(な、なな、なっ!撫でられてるっ!)
晴くんは俯いていて表情は読めないけれど、良かった。
僕の顔、きっとすごく赤くなってる…
こんな顔、見せられない!
「あ、の、心配してくれて、ありがとう…」
ようやくそう絞り出すと。
そのままその大きな手で頭を引き寄せられて、顔が晴くんの胸にぶつかった。
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