アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
もうしない
-
「…ぉぃ、」
「はっ、はいっ!」
「何のつもりだ?」
僕は、晴くんと僕の口の間に両手を差し込んでいた。
手のひらでばってんをつくった僕に、晴くんは怒ってる、みたい。
「…チッ」
「舌打ち!?」
そんなの!
「ぼ、ぼぼ、僕は怒ってるんだよ!?
そう!僕は怒ってたんだ!!
忘れてた…、じゃなくて!忘れてないんだからねっ!
朝のこと!!」
「…あ?
そういえば、理由聞いてなかったな。
なんでだ?」
「よ、夜!その…女の子を、と、とっかえひっかえ…してるって……」
「…千夏か」
「…否定、しないの?」
「…まぁな」
そう聞いて、何故か心がちくりと痛む。
それを誤魔化すように晴くんをキッ、と睨みつけた。
「だ、だめだよ!そんなの!!
そういうことは、ホントに好きで好きで大好きでしょーがない人としかしちゃいけないって、友達が言ってたもん!」
そう言うと、晴くんは大きく溜息をつく。
お、怒らせた…?
でもこういうことはちゃんと叱ってあげないとだめだ!
「…おまえが嫌なら、もうやんねーよ」
「ほんと!?」
「ほんと」
ぽんっ、また頭に手を置かれる。
さっきはすっごくドキドキしたのに、今度はとっても安心する。
晴くんの手は、魔法みたい。
「でも、晴くんの『もうしない』はアテにならないんだよなぁー。
ち、ちゅー。もうしないって言ったくせに、しようとするし…」
「………おまえが悪い」
「なんで!?」
「なんでも」
そんな話をしていたら、コンコン、とノックの音が響いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
76 / 104