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面会可能な時間が終わり、晴くんは帰ってしまった。
好きだということを自覚してしまってからは、頭がぽーっとしてしまって、晴くんの顔をまともに見れなかったよ。
晴くんに何回も「おい、大丈夫か」なんて声をかけられたけど治らなくて、あっという間に時間が経ってしまった。
「好き…」
その想いを口に出してみれば、胸がぽかぽかあったまる。
ああ、好きなんだな、って更に実感した。
人を好きになるって、こんなに幸せなことなんだ、なーんて思ったりもして。
しかし、寝ようと思って自分のウィッグを取って気付いた。
そうだ、奏里も、晴くんのこと好きなんだ…!
途端に幸せだった心は絶望に染まる。
あんなに可愛い奏里に僕が勝てるわけもないし、僕と晴くんは男同士。
それに、何と言っても僕が「奏太」として晴くんと関わることは許されていないのだ。
例えいまの僕を好きになってくれたとしても、それは奏里のことが好きってことになる。
いま、「奏太」と晴くんはほとんど他人なんだから。
何より、奏里を裏切ってしまった自分の心が許せなかった。
なんて、ことだろう。
目に涙が溜まって、でも拭う気力も無くて、流れるままに1人涙を流しす。
ああ、僕は。
妹の好きな人に恋してしまいました。
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