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衝撃
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「え、えぇぇえぇ!?」
ちぃが、奏里を、好き!?!?
「ははっ、驚いてるーっ」
「そりゃそうだよっ!
え!?本当に!?!?友達じゃなく?」
「恋の好き、だよっ」
お、女の子同士なのに。
そう思ったのが伝わったのか、ちぃはまた緩く微笑んで言った。
「ねぇ、引いた?」
「ち、ちがっ!!!
びっくり、しただけ…」
「知ってる。聞いてみただけ!ふふっ」
からかわないでよっ!ってちょっと怒ったら、ごめんごめんって謝られた。
でも、衝撃が強すぎてあんまり頭が回らない。
奏里に好きな人ができたっていうのは晴くんのことだろう。
それはわかるんだけど…、とにかく女の子が女の子を好き、そんなことがあるんだってことに驚いた。
「ねぇ、」
「ぁ、ぅ、はいっ」
考え込んでたら、ちぃから声をかけられてビクッとする。
「私は別にね、女の子が好きってわけじゃない。
つまり、レズビアンじゃないんだよ?」
「ぇ、っと、レズビアン…?」
「恋愛対象が女の子な女の子のことね。
私はね、奏里だから好きになったの。
奏里が男でも、きっと恋をした。
…好きになるのに性別なんて関係ないって私は思うし、そう思うことで自分の気持ちを肯定したい。
この気持ちは、大切にしたいから…
ね、奏太くんはどう思う?」
奏里だから好きになった。
その言葉が、昨日からずっとつっかえてた心にストンと落ちた。
晴くんが男とか関係ない、晴くんが晴くんだから好きになったのかも知れない。
______________僕と、おなじだ。
「ぼっ、僕もそう思うっ!!
すきって気持ちに貴賎はないんじゃないかなあ…
相手の性別なんて、関係ないよねっ」
「ほんと?よかった!」
でも僕が本当に嫌なのは、奏里の好きな人を好きになってしまったってことと、僕がどんなに晴くんのことを好きでも、晴くんが僕とかちぃと同じく同性愛に抵抗がないかわからないってこと。
それと、晴くんがもし、本当にもし僕のことを好きになってくれたとして、それは僕じゃなくて奏里を好きってことになるってこと。
男の子を好きになっちゃった、っていう後ろめたさはちぃのおかげで無くなったけど、それでもモヤモヤは消えなかった。
黙り込んでしまったちぃの手が僕に伸ばされて、僕の手を握る。
「ね、悩んでるんでしょ…?
私に話してみない?」
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