アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
メリークリスマス!1
-
作者の好きなように自由にやらせてもらいます、ごめんねっ☆
「ふんふんふーん、ふんふんふーん、ふんふんふーんふふーん…」
陽気に鼻歌ジングルしてるのは、僕の妹の奏里。
「シングルヘール、シングルヘール、シングルオールウェーイズ…」
あ、ジングルじゃなくてシングルだった。
あと飾り付けようとしたオーナメントが握りつぶされた。こわい。
「奏里っ!メリークリスマス!」
「ハッロッウィンとかー!バレンタッインデーとかー!まぁきらーいってわけじゃないんだけど か や の そ と!!」
「奏里!?かーなーりーっ!!!」
奏里が変な世界にトリップしてる。
一生懸命呼ぶと、ようやく瞳孔が落ち着いた。
「はっ…、あたしは何を…」
「おかえり奏里…」
今日はクリスマスイブ。
奏里はクリスマスの飾り付けを、僕はクリスマスの料理をお母さんと楽しくつくっている。
毎年、クリスマスは家族で祝う。
これが城川家の伝統だ。
お父さんも、毎年いつもよりちょっぴり早く帰ってきて一緒に食卓を囲む。
料理も腕が鳴るというものだ。
「奏里、なんかものすごい歌を歌ってたね…?」
「あ?…うん、ちょっとリア充への恨みを込めて、あたしの好きなアーティストの曲を、ね……」
たしかにものすごく感情がこもってた。
「リア充への恨み、って…」
「だってそうじゃんよー!
あたしだって恋人と二人きりのクリスマスとかやーりーたーいーっ!!!」
「あらあら、奏里ちゃんもそういうのに興味があるのねぇ…」
「お母さんのばかっ!あたしだってお年頃ですよお年頃なんですよ!?」
「あらあらぁ…」
「あはは…」
奏里はぷんすかと一人で憤慨してる。
恋人と二人きりのクリスマス、かぁ…
今まで家族以外と過ごしたことが無いから、想像もつかない。
奏里に恋人ができたら、家でのクリスマスパーティーには参加しないのかな?
参加して、くれないのかなぁ…
それはなんだか、とっても寂しいような。
毎年、お父さんとお母さんは2人でとっても仲良くくっついてる。
それを見ながら奏里とおしゃべりするのが恒例だった。
でも、奏里がいなくなったら?
僕は、1人で過ごすのかな?
クリスマスに、楽しく過ごす家族を眺めながら、1人で……
「…あれ、お兄ちゃん?」
奏里が僕に訝しげな視線を向けたとき。
ピーンポーン、
とチャイムが鳴った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
99 / 104