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メリークリスマス!エピローグ
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「うぇ〜、頭いた…おはよ〜」
「おはよ、奏里」
二日酔いを隠さず出てきたのは奏里だ。
あの後、春くんは西川先生が車で連れて帰って、ちぃはリビングのソファにお泊まりした。
晴くんが泊まるのは何故かお父さんが許してくれなくて、自力で帰っていったみたい。
しじみの味噌汁をかき混ぜて、IHを止める。
胃に優しいメニューをよそって奏里の前と自分の前に置いた。
クリスマスの朝、お父さんとお母さんは毎年お昼になるまで寝てる。
なんでなんだろ?と思うけど、奏里が「触れちゃあかんのよ〜、そういうもんだと思わなきゃ」って言うから触れない。
御飯を食べていると、奏里が口を開いた。
「お兄ちゃんさぁ…」
「ん?」
「昨日、晴たちが来る前、1人で過ごすクリスマスについて考えてたでしょ?」
「…え、」
なんでわかったの。
突然の訪問者に驚いて忘れてたけど、奏里に恋人ができたらクリスマスは1人で過ごさなきゃいけない。それを考えて凹んでたのは事実だった。
「わかるよ、寂しそうな顔してたし。
…双子だからね」
「う…ん。」
なんて言ったらいいかわからなくて、とりあえずご飯を口に運ぶ。
「…昨日、晴と2人きりになる機会があったでしょう?」
「…えっ!?どうして知って…」
「…晴のことならお見通しだよ。
ね、どうだった?」
昨日、いきなり抱きしめられたことを思い出す。
するとまるでぶり返したように昨日の熱が戻ってきた。
「あは、顔真っ赤…聞くまでも無かったみたいだね。
…あたしが憧れてたのはそういうクリスマス。
でもね、それって、昨日みたいに全員で祝ってもできることでしょう?」
色んな人と祝って、その後で。
夕ご飯は家族との時間で、夕ご飯が終わったら、恋人との時間。そんなことだってできるよね___と、奏里は言った。
「うーんと、上手く言い表せないんだけどさ。
あたしは、恋人ができてもお兄ちゃんとも一緒にクリスマスを過ごしたいと思ってるよ」
「奏里……」
「それにねっ、昨日みたいに、恋人もうちのクリスマスパーティーに参加させちゃえばいいわけ!
そうすれば恋人とも、家族とも、ずーっと一緒に過ごせるでしょ?」
「昨日みたいに、って、僕たちまだ付き合ってるわけじゃ…」
「そんなのは些細なことだよ。
______大事なのは、お兄ちゃんが1人でクリスマスを過ごさなきゃいけなくなることなんて無いんだよ、ってこと」
「……!!」
僕はとても嬉しくって、ちょっと泣きそうになった。
でも、奏里にそんなとこ見せたくないから、「ありがとうっ、奏里」と言って笑顔を見せる。
「大事なお兄ちゃんのためだからね…、
そんで?
クリスマスプレゼントは何をもらったの??」
「はぅっ!!」
動揺して、舌を噛んでしまった。
いたい…っ
「いいじゃん、教えても減るもんじゃないんだしー!」
「な、内緒っ!!」
なんとなく、僕と晴くんの秘密にしておきたくて隠した。
…それに、プレゼントについて話すと、僕があげたクリスマスプレゼントについても上手く誘導尋問されそうでこわい。
…そんで、恥ずかしい。
問い詰めてくる奏里に慌ててご飯を食べて席を立つ。
「あーっ!お兄ちゃん逃げるの!?」
「逃げてないもん…っ!」
二階に駆け上がって、早く続きが読みたくなり読みかけの本を開く。
…そこにはあの、綺麗なブックマーカー。
これから先、本を読むのがもっと楽しくなりそう。
ふふ、と笑って、僕はページをめくった。
__________________________
これにて「メリークリスマス!」はおしまいです!
楽しんで頂けましたでしょうか(*´艸`)
本編の更新は、もう少し待って頂けると…笑
それと、1日遅れてしまいましたが、「メリークリスマス!」の春sideをこの小説のシリーズ作品内でやるつもりです。
読んで下さるとえなはとても喜びますっ←
最後にお礼を…
皆さま、いつもえなの作品を見てくださってありがとうございますっ!(つД`)ノ
「メリークリスマス!」連載中に、7万アクセスいきましたっ!!!こわい←
えなにとっては最高のクリスマスプレゼントです、本当にありがとう!
これからも、末長く、気も長く付き合って頂けると幸いです笑
ありがとうございました〜(*´∀`*)
2015.12.25 えな
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