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衝動7
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泣いてたってなにも変わらないのに。
早く、言わなきゃって分かってるのに。
涙が止まらない。
俺、今、ものすごくかっこ悪い……
普段なら絶対泣かないのに。
「か、神田くん、タオル使う…よね?」
高槻が気を使ってタオルを持ってきてくれた。
優しさが傷口にしみる
罪悪感でタオルが受け取れなかった。
嗚咽を漏らして、なにも話せなくなって、泣きじゃくる。
「だ、大丈夫……?」
高槻が俺をなだめようと背中を撫でる。
くそ、早く涙止まれよ。
「おれ、ごめんっ……俺!」
「俺のことは、気にしないでください。慣れてる。」
『慣れてる』
その言葉が、胸に刺さった。
今日会ったばっかりだけど、一緒にギャルゲーしただけだけど、
俺は久々に、そして確実に、心からこの時間、空間が楽しいと感じていた。
俺はどこかで
高槻のことを
特別に感じていたのかもしれない。
こいつなら、信じられるって。
「高槻っ、俺…ホントは、お前の事、キモいなんて思ってない…からっ」
嗚咽混じりで、伝わったか分からない。
けど、
「うん…」
高槻は優しく返事をしてくれた。
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