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照応
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次の日
ドアを開けるとちょうど高槻も登校するらしく、ばったり出会った。
お互い気恥ずかしく、無言の見つめ合いが続いた。
俺は照れて先に視線を外してしまった。
「…………はよ。」
「ぉ、おは、おはよう…ごじゃ、ございまふす…」
向かうところは同じなのでそれとなく高槻の隣を歩いた。
しかし、こいつ、歩くの速いな。気がつくと、差ができてる。足が長いのかな。180ぐらいあるもんな。とか考えながら頑張って追いつこうと歩く。
しばらくしたらそれが無くなり、あれ?と思って隣を見たら、高槻が俺の歩く速さに合わせてくれていた。
ちょっと嬉しかったから、
「…ふっ」
と笑ったら、
「ど、どしたの…」
とキモいよって顔で見られた。
「別に。なんでもないけど〜」
って返したけど、なんだか男として悔しかったので、一発背中を叩いた。
「いっ!いひゃい!!ひ、ひど、痛い!」
「うるせーよばーか」
な、なんだよ……とぼやいてる高槻をよそに、特に会話のない2人での登校が俺にはだいぶ心地よく感じられた。
そうだ、昼飯にでも誘おう。最近つるんでる奴らに彼女が出来てちょうど昼が寂しかったところだったのだ。
どうせ高槻には飯食う友達いねーだろーしな。と、勝手に決めつけておいた。
「お前何組だっけ?」
「さ、3」
「なるほど〜会わねーわけだ」
「か、神田くんは7組だったよね」
「おう、ってなんで知ってんの」
「えっ、や、ゆ、有名だし…」
有名……?
あ、最強の不良(笑)か。
「じゃ、じゃあ、俺、教室あっちだから……」
「あ、待てよ」
さっさと俺から逃げようとする高槻の肩を引き寄せる。
「お前のこと昨日で大好きになったから昼メシ一緒に食おうぜ」
じゃ!と高槻を跳ね飛ばし、言いたいことを言い終えた俺は上機嫌で教室に戻った。
「ふぇっ、だ、大好きってなんだ!?昼飯ってなんだ!?」
俺の軽率な発言に、おおおおおお!?!?と廊下で高槻が喚いていたが、俺の耳には届かなかった。
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