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祥機
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放課後
高槻のクラスへと足を運ぶ。
「高槻!帰ろ?」
俺は精一杯優しい雰囲気を出して、高槻を呼んだ。一緒に帰る約束は特にしていなかったから、もしかしたら断られるかもしれないと思ったが、高槻はすぐに了承してくれた。素直に嬉しい。
「うん、いいよ。帰ろう」
「お、おい、高槻、お前まだ神田とつるんでんのかよ」
「まだって……なにそれ」
「やめとけよ、お前、なんかされてんの?」
高槻の友達だろうか。俺の元へ行こうとする高槻を引き止めて、高槻になにか言う。俺にはなんと言っているのかまでは分からなかったが、きっと俺は彼に毛嫌いされているのだと思う。
「なんで?」
「だって、お前、あいつに脅されてんだろ?なぁ?」
「はぁ?違うって」
「だ、だったら、なんであいつとなんか…いって!」
突然高槻がそいつの頭を叩いた。
「なにすんだよ!阿呆!!」
「アホはおめーだよ。俺は俺自身で選択したの。」
「わざわざなんであんな不良…ぃってぇ!」
また高槻が頭を叩いた。
「お前には分からんよ。つうかな〜他のやつには知られたくないな〜っていうか。いいやつだよ神田は。不良なんかじゃない。」
「はぁ?別に、俺は心配してるだけだから、お前が大丈夫ってんなら信じるけど……」
じろりと高槻の友達は俺の方を見る。大きく息を吸い込んでから彼は叫んだ。
「神田!高槻を危ないことに巻き込んだらりしたら、ぜっってぇ許さねぇから!」
「っ!……分かってるっつーの!」
突然声をかけられ、驚いた。が、俺は高槻を危ないことなんかに巻き込むつもりはない、むしろ、大切にしたい。分かってる。俺も、お前と同じで高槻が大切だから。
「な、何言ってんだよお前!神田そんなやつじゃないから!」
「うるせー。忠告だよ、忠告!!さっさとけぇればーーか!」
「なんだよもー……じゃあな。」
「…おう」
ごめん待たせちゃって。と俺に一言告げて高槻は俺の横に並ぶ。やっぱり、でかいなーこいつ。羨ましい。
「あいつ…お前の、友達」
「え?あ、あぁ、ごめん、さっき失礼なこと言ったよね、あいつ。後でちゃんと言っとくから、ほんと、ごめんね」
「いや、ちがくて。良い奴、だなって。」
「……そーかな?」
「そーだよ」
少なくとも俺の周りにはいない。あんな友達思いで、優しいやつ。
「俺のこと、怖かっただろーなー」
「ははっ、あいつビビリだから絶対今頃震えてると思うよ」
高槻はケラケラ笑っているが、なんせ学校一の不良と呼ばれる俺に大声で怒鳴ったんだ。友達の、こいつの為に。悪いことしたな、と思う。きっとあいつ友達とられて寂しいんだろうな。まぁ高槻のことは譲れないけど。
っていうか、今は違うけど、高槻だって最初俺にびびりまくりだったじゃん。
と内心高槻の友人の彼に同情した。
「じゃ、後で漫画持ってくるわ」
「あ、うん、後でね」
バタンと閉じたドアの後ろ。俺はぎゅっと手を握った。
ついに、時が来てしまった。
こ、告白…………………ってどうやったらいいんだ!?
考えてなかったけど好きって言ってどーすんの?!付き合ってって言うの!?そ、そもそも!付き合うとかあるの?男同士で?って高槻が付き合ってくれるかすら分かんないしまずキモがられるかもしんないしあぁもう!!!ぐるぐるぐるぐる。
頭が回らない。真っ白。
あぁ、どうしよう。
決心揺らぎそう。
緊張で、吐きそうだ。
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