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祥機 おまけ
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こんにちわ、冬見 昇平(ふゆみ しょうへい)です。
え?誰って?神田に友人を奪われてしまった冬見です。そうです、高槻の友人Aだった俺です。
昨日、昼休みが終わりかけの1時20分
走って教室へ戻ってきたかと思うと、今度は顔を真っ青にした、と思ったら今度は真っ赤にして高槻は顔面が大変なことになっていた。
小学校時代から一緒だった俺たち。すぐになんかやべーことあったんだなって分かった。
「高槻、どしたのさ」
「あ、いや、もう、だめ、だめかも」
「え、なになに、何があったんだよ」
無理無理無理とそれだけを繰り返して高槻は死にそうなほぼ死んだ顔をしている。こりゃそうとうだな。
「…………………落としたんだ。」
「落とした?何を?」
「攻略本。」
攻略本…………?ゲームのか?というかそれを落としたぐらいでそんなビビることねーだろ………………そこで俺はハッとした。そうだ、こいつの持ってるゲームって……攻略本って……………アレしかねぇじゃん…………。
「………も、もしかしてー………?」
「…ギャルゲーのな。」
そう呟いて高槻は白い灰になってしまった。
さすがの俺もフォローできなかった。なんせコイツの持ってるギャルゲーってガチの18禁のやつだ。それの攻略本ってきっとカバーから危ないだろう。それを落としたって……
「お前、アホだろ……………」
「ウワアアアアアアアアアやめてェエエエエ!!!!俺の人生ダブルで終わったァァァアアアアア!!!!!」
「ほ?ダブル???」
ってことはなんかもう1個やべーことあったの???
「実は…………さっき、俺ぶつかったんだ、神田に」
「は?ぶつかっただけじゃnnnn神田に!?!?!神田にぶつかったの?!?!は!?お前よく生きて帰れたな!?!?!?!」
だからさっき走って帰って来てたのか。神田というのはこの学校の不良で最強と謳われている奴。そんな奴にぶつかったってコイツほぼ半殺し確定じゃね?見ると高槻はやべぇよぉぉぉと叫びながらガタガタ椅子ごと震えている。
「……つーか、そん時に落としたんだよ絶対…………」
「え、攻略本………?」
「うい。」
「ヒィwwwwwwwwww」
「笑ってんじゃねえよ!!!!こっちは生死かかってんだぞ!!!!!!!」
可哀相だと思ったがおもしろしすぎて腹筋割れそうだった。
次の日、つまり、今日。高槻が神田と登校してきた。(俺は朝早くから部活があり、高槻とはしばらく一緒に登校してない。)何事かと思った。舎弟にされたのかあいつ…?ギャルゲーの攻略本って相当弱みだよな。
「高槻、」
高槻に声をかけようとしたその時、神田が高槻をがっと自分に引き寄せて何か言った。そして、神田は上機嫌で自分の教室へ去っていく。高槻はというと、唖然としたあと急に顔を赤くして、ぼそぼそ何か呟いて、うおおおおと頭を掻きむしった。何やってんだあいつ?やっぱり神田に何かされているんだろうか。
昼休みになった。
今日はいつもよりため息が多い高槻。いつものメンバーで飯を食おうと俺は高槻に声をかけた。
その時、
「高槻ィ!」
神田の声がした。高槻がヒィと声を上げる。瞬間、昨日の出来事を知らない俺以外のメンバーが次々と高槻へ心配の声を上げる。
「「「達者でな〜〜〜!!」」」
そう言って高槻を神田へ送り出したら、高槻は恨みがましい顔で俺達を睨む。高槻は神田とどっかへ行ってしまった。高槻抜きでも楽しいけど、やっぱりどこか寂しい。
つーか、ほんとにあいつ大丈夫なのかよ。
しばらくして、高槻が帰って来た。ぶつぶつ独り言を言ってる。
「あ〜、どうしよう、いや、どうしようってどっちよ、ダメだろ〜神田は、ダメだ、でも、うあ〜やったな俺、やらかしたな俺、」
はっきり言って気持ち悪い。だって親友がニヤニヤして顔赤くしながらぶつぶつぶつぶつ、そうとう気持ち悪い。
心配してたのに損したかも。
「さっきから何言ってんのさ。怖いしキモいし消えてくれ。」
嫌味ったらしく言ってやった。
でもやっぱり、心配なんだよな〜。
放課後、俺は昼休みに神田と何があったのか詳しく聞いてやろうと、わざわざ部活をさぼって教室に残っていた。
「高槻、昼休み、なにがあったんだよ」
「なっ何もないよ」
「はぁ?あんだけ気持ち悪いことになってたくせに何もないことねぇだろ」
「ほ、ほんとに、何もないっだって!」
昼休みの話を出した途端、高槻はカァっと顔を赤くして、何もないと繰り返す。
………なんで顔赤くしてんの……?
昼休みににも思ったが、なぜ顔を火照らせるんだこいつ。神田となにがあったのよ。ナニがあったの?いやいやいやいや、そりゃないな。ないない。
「高槻!帰ろ?」
突然教室の扉が開いて、神田が教室に入ってきた。
…なんだ?雰囲気が柔らかい?いつものイメージと違う。
「うん、いいよ。帰ろ。」
すっと俺から離れていく高槻。思わず腕を掴んだ。
つうか、お前の雰囲気も朝と違うんだけど。
「お前、まだ神田とつるんでんのかよ」
思ったより強い口調になってしまった。
たぶん俺は、急に現れた神田に高槻をとられて悔しいんだ。嫉妬してる。
長い間一緒に居た俺でさえ、見たことないような顔を神田は高槻にさせる。
俺のほうがずっと一緒にいるのに、なんで、高槻は神田のこと擁護するんだ。
俺はお前を心配してるのに。
なんで。
そう思ったら、俺は叫んでいた。
「神田!高槻を危ないことなんかに巻き込んだらぜっってぇ許さねぇから!」
「分かってるよ!」
神田は一瞬驚いた顔をしたがすぐいい顔をして言った。
なんでそんな顔で言うんだ。信用してしまうだろう。
「…じゃあな、」
「おう。」
高槻は神田にすっかり懐いてしまった。はぁ〜〜寂しい。友達とられちゃった。
ウワアアアアアアアアア!!!!!俺、神田に喧嘩売ったんじゃねぇ!?!?いや、売ってはないけど!!!神田に神田に、『ぜっってぇ許さねぇから!』とか言っちゃっ!!!!!と、友達を心配して言ったことだし???か、神田も分かってるよね????ね???????アアアアアやべぇぇぇよぉおおおおお!!!!
今になって手が震えだした。
俺高槻取られてどんだけ悔しかったんだよ…。
明日、高槻にやつ当りしてやろう。俺に寂しい思いさせといて、自分だけ楽しい思いしやがってよ〜!!はぁ、寂しい。
ていうか、あの2人ってなんか共通点あったか?
高槻もなんであんなに神田に懐いてんだろう?
うーむ…なんかあるなあいつ等。
「ふはは…明日聞いてやろ〜っと」
その後30分ほど無断で遅刻した部活に行くと案の定先輩にボロクソ怒られました☆
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