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祥機2
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コンコン
隣に有る部屋の扉をノックする。
開いてるよ、という返事を聞いて、俺は高槻の部屋へ足を踏み入れた。
2度目の高槻の部屋。
好きな人の、部屋。
昨日はなにも思わなかったけど(多少引いた)、改めて見ると、高槻の生活が伺える。
高槻の匂い。空気、洋服、ベッド………。
ここにあるものすべてが高槻のモノ。
俺はそんな場所に今立ってる。
俺の好きな人の部屋。
昨日までは感じなかった感覚。
なんとなくむず痒くて、玄関から先に進めず、突っ立っていたら高槻が口を開いた。
「い、いらっしゃい…?」
「おじゃましま、す」
2人の間に微妙な空気が流れる。
「あ〜……っと、漫画、棚に戻しておいてもらっていい?」
「あ、うん」
俺はごそごそ漫画を取り出して、高槻の本棚へ漫画を返した。
「えーーっと……………話、って……?」
「ぅえっ!?あっ、え、えっと、なんだったっけな〜!ははは!」
「そ、そっか……じゃ、じゃあゲームする……?」
「や、ります」
だぁぁあああああ!!!!!!なにやってんだ俺!!!告白しに来たんじゃないのかよ!!!!なにのうのうとモン○ンやってんだよ!!!
俺は告白のことを考えると手の震えが止まらず、ゲームにも集中できなかった。
「…ん?た、高槻、こいつ倒せない!」
「え?あぁ、そいつは――………」
しばらくして、ゲーム中に手こずる相手が出てきて、俺は高槻に助けを求めた。
「ちょっと、ごめん………」
「へ…?」
高槻は後ろから俺を抱きしめるようにしてコントローラーを握った。
な、なに、近いんだけど!!
どうしよう、どきどきして余計集中できない。折角教えてもらってんのに。
「こいつはこの装備で――……こうすれば――………」
密着度が高いからか、高槻の心臓の音が聴こえる。俺の音が高槻に聴こえていたらどうしよう。今、尋常じゃないくらい、心臓速い。
それに、この体勢で話されると、俺の耳に高槻の息がかかって、
高槻がなにか話す度に、身体が勝手にびくっと反応してしまう。
「………で、ここでこうして……って大丈夫?なんか首真っ赤だけど……」
「だっ大丈夫!」
「あっごめん、やっぱ、この体勢嫌だよね、ずれるよ」
「い、いいって!!いいからこのままいろよ!」
「でも…」
「だ、だめ!!」
とっさに俺から離れようとする高槻の服をつかむ。
高槻は驚いた顔をしたがすぐに元の体勢に戻ってくれた。
「ん、じゃあ、このエリアもう俺全部やっちゃうね」
「おう、見てる」
どうしよう、見てる、とは言ったものの、背中から高槻の体温や吐息や鼓動が伝わって、どうしよう、今にも気を抜いたら勃ちそうだ。
ここで勃ったらやばいだろ…!耐えろ俺の息子よ!!!!
ぎゅっと拳を握って全身に力を込める。
「……神田くん、」
「ひぁっ!?」
突然耳元で高槻に名前を呼ばれ、変な声が出てしまった。恥ずかしくて、顔から火が出そうだ。振り返ろうにも恥ずかしすぎて不可能だった。
「あ、のさ、」
「わぁぁ!!ごめん今のほんとキモい声だした!俺も自分に引いてるからごめん!!」
「や、ちがくてさ、あの、神田くんて
……………やっぱり耳、弱いよね?」
「そっそんなことねぇけど!」
俺は反論をしようとして後ろを振り返った。
ふにっ
………………へ?ふに?
高槻と唇がぶつかった。
そう思ったときにはもう遅かった。
「わっごめっんっ!?」
焦って離れようとした俺の体をぐいっともう一度高槻の方へ引き寄せられ、今度は偶然じゃなく、必然で高槻の唇が俺に触れる。
「ちょ、は、たかつきっふっぁん、」
なにが起こっているか理解が追いつかず、待ってと口を開いたら、高槻の舌が俺の口内へ侵入してきた。高槻の舌が俺のと絡み合う。気持ちいい。
「ん、はぁ、たかつき、ふっん、」
頭がぼーっとする中、もっと、もっとしたい、と俺は高槻の腕をぎゅっと掴んだ。すると急に高槻は俺から唇を離していった。俺はまたわけが分からず、頭上に?を浮かべる。
頬が赤く紅色に染まる高槻はすごく官能的で俺は目を惹きつけられた。
溢れて俺の口の端を伝っていたどちらのものとも言えない涎を指で掬ってから、高槻が俺に謝った。
「…っごめん……」
「べ、つに、怒ってねぇけど…?」
「ごめん、ほんと、俺、こんなつもりじゃなくて、あ〜〜〜くそ、ほんとごめん」
「だから怒ってねぇってば!」
俺の元からじりじり下がって離れていく高槻を追いかけるように詰め寄る。
高槻の顔は真っ赤だったが、どこか罪悪感のようなものが見える。
俺、全然嫌じゃなかったんだけど。つーかむしろ嬉しいんだけど。
「高槻、俺」
「だ、だめ!!です!!」
「は?」
俺は決心を固め(遅い!)、高槻に告白しようとしたが、それは本人によって遮られた。高槻はいつの間にか部屋の隅で縮こまってしまっている。
高槻に近づこうと俺は動いた。が、
「ちょ、だめ!ほんとに!今だめ!」
と、全力で拒まれてしまった。
そこまで強く拒否されるとさすがに傷つくのだが。
「なんで…?」
「なっんで、っていうと、言いにくいんだ、けどォォォオオオ!?!?か、神田くん!?」
俺は高槻がそっぽを向いてうだうだ話している間に高槻の目の前まで移動した。部屋の隅で、逃げようにも、高槻はもう逃げられない。
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