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祥機3
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じりじり高槻に詰め寄ると、高槻は大きな体をさらに縮こませる。
「ほ、ほんとに!ダメって!」
「なんでダメなんだって聞いてんの!」
「ヒッ!だ、ダメなものはだめっていうか…!!!」
「あ!?理由言えっつーの!!」
「い、いいい言えませんっ!!!」
さっきまでの猫かぶりとは売ってかわり、素の自分で問い詰める。
その時、
俺の頭の中に『嫌われた』という言葉が浮かぶ。いやいや、それはない、だろ…。だって、キス、してきたし、それに仲良くしてくれてたし……
それだけ、だけど…
「……っ理由!!!」
「むっ、むり!無理無理!!!!」
「…………………」
「ほんと、だめ!だから!!」
高槻の言葉がすべて自分への拒絶に聞こえてくる。
「……俺のこと、嫌いになったかよ」
俺は無意識にその言葉を口にした。
「…………え?」
高槻が唖然と口を開ける。
「………もういい。萎えた。帰るわ。」
自分で口に出した途端、急にその言葉の意味がずしんと体にのし掛かり、俺はその場に居ることが辛くなった。
つっぱって気を張っていないと涙が溢れそうだった。
高槻の前から立ち上がり、踵を返して玄関の方へ足を向ける。
けど、俺はまだどこかで高槻に期待していた。
…………俺を、引き留めてよ、高槻
そしたら、俺は……………
足を前へ踏み出す。
瞬間、ぐらっと視界が揺れた。
「………………っ好きです!!」
高槻が大声で叫ぶ。
「好きなんだ、俺、神田くんのこと。
そうじゃなきゃ、俺、男にキスなんかしない。」
高槻に腕を捕まれ、高槻の方へ身体を引き寄せられる。今度はちゃんと正面から抱きとめられた。高槻の体は微かに震えていた。
「…嫌いとか有り得ないよ。俺、神田くんのこと好きだし…って、か、神田くんが俺のこと嫌いだったら仕方ないんだ、けど………」
高槻が、俺を、好き。
高槻は俺が好き。
「……………………俺も」
「え、っと…………………」
「…お、れも、お前の事好き…だから」
「まじすか」
「ここで嘘ついてどーすんだよ」
「き、きききききキッスしても」
「だー!もー!うぜぇ!!!勝手にしろよ!!!」
「しっ失礼します!!」
ちゅ、
軽いリップ音が部屋に響く。
高槻が俺をまた強く抱きしめる。
「…な、なんか恥ずかしいね」
「いっちいち言うなよ〜!!!」
我慢していたのに、高槻がそんなことを言うから一気に恥ずかしさが込み上げて、2人で茹でたこ状態。
「…さっき、俺のこと引き留めてくれた時さ、」
「うゆ?」
「かっこいってときめいたのにさ、」
「ふぉ?」
「……今ので全部台無しだから!!」
「なんでっ!?!?!今は!?かっこよくないってこと!?え!?!?ん!?」
俺の照れ隠しとはつゆ知らず、あたふたする高槻は見ていてとても笑えてくる。あぁ、俺達両想い。不思議な感じだ。
こんなにうれしいなんて。
こんなに人を好きになることが楽しいなんて。
知ることが出来たのは、全部高槻と出会ったおかげ…?
「……高槻、好き」
「うぉっうぉれもっ好きです!!」
出会ったときは、高槻を好きになるなんて考えもしなかった。
ほんと、どうしてこうなったんだか。
でも好きなものはしょうがない。
さて、俺達これからどうしようか。
まぁ、高槻と一緒にいればすべて楽しいことに変わっていきそうなんだけどな。
後日。
「なんでお前あん時『ちっ近づかないでェ!!!!』とか言ったんですか」
嫌味っぽく聞いてやった。だって、俺だーいぶ傷ついたもんね。
「ぇ。言わなきゃダメ?」
「は?」
「ウヒィ!えっと、実は、神田くんにキスしたら我慢してたタガが外れちゃったみたいで、ちんこは勃つし、触ったら押し倒しそうだし、でも神田くんこっち来るしみたいな………………?」
「え、お前勃ってたの?」
「ウィ」
………ごめん、高槻。俺はあの日の自分を止めてやりたい。ごめん、高槻………。
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