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side高槻
最近、神田がやたらひっついてくる。
決して迷惑なのではない。
ただひたすらうれしい。
…それで済めばいいのだが、実際俺の場合、それだけでは済まないのである。
「高槻〜」
「わっびっくりした!」
俺がゲームをしていると、神田が後ろから抱きついてきた。さっきまで俺の部屋の漫画を漁ったり、雑誌を読んだり、ちょろちょろしていたのだが、飽きたのだろう。俺に構って欲しいらしく、甘えるように俺にくっついてくる。
「なんのゲーム?」
「分かりやすくいえば格ゲー…?」
「ふーん…」
神田は構えオーラを放っているが、俺は敢えて放置。ここで神田を構ってしまうと、俺の理性がぷっつんしてしまうからだ。そう、俺は我慢している。溜まってるんだ。
最近、神田が俺の部屋に入り浸り、調子がいい日はそのまま泊まっていくため、所謂、俺は俺の息子様を慰めることができないのが主な原因である。
実のところ、神田にくっつかれるだけでムラっとくるくらいにはやばい。
しかしここは紳士らしく、紳士らしくと心中唱え、耐えている。
「高槻、それまだ終わんねー?」
「んー、ちょっと待って……」
「ちょっとってどんくらいよ」
「んー………………」
ゲームがステージ終盤に差し掛かり、ラスボスなる者が登場した。む、意外とやりおる。
ゲームに夢中になっていると、神田が俺の背中に頭をぐりぐり押し付けてきた。
ぐ、可愛い……
今すぐ振り返りたい。
だが、すまない神田、俺には今倒すべき相手がいるんだ…!!というのは口実。ただこの甘えてくるのが可愛くて俺が単純に喜んでるだけ。ごめん、神田くん。好き。
なおもゲームをする俺と、拗ねる神田。
「ぅわひゃっ!!」
突然神田が俺の首筋を舐めた。思わずよく分からない声が出る。
そんなことやって俺に押し倒されでもしたらどうすんだ!俺我慢してるよ!!神田くん!!!
ちらっと後ろを見ると、してやったり顔(ドヤ顔)をする神田。
( ´・∀・`)ハッ←まさにこれである。
若干イラっとしたが、しかしそれに勝って可愛いいいいいい神田くん可愛いいいいいいい//////////
振り返ったのが間違いだった。
思わずいつもの癖で『うほっ大収穫にござるァァアア!!!』と口走ってしまいそうになり、それを我慢したため変な顔になってしまった。
「ぶはっwwwなにその顔wwwすげぇブスだぞwwwwww」
「……俺はいつもブスだす」
「あれ?拗ねた?拗ねた??」
笑いをこらえながら神田が言う。
「拗ねてたのは神田くんじゃないの〜」
そう言ってやったら顔をりんごみたいに真っ赤にする神田。
「は、はぁ!?別に拗ねてねーから!」
「OK.理解した。某はゲームを再開するにござります」
照れ隠しをして意地を張る神田が最高に可愛くて、ちょっと意地悪を言う。すると神田はしゅん…とでも言うように一気に暗い雰囲気になった。
「…勝手にやってろよ!」
今にも泣き出しそうな顔をして何を言っているのか。神田の表情すべてが愛しくてたまらない。俺は神田にこんなに好かれているのかという優越感。
「…ごめん、ごめん、嘘だよ」
「いいって、ゲームやれよ」
へそを曲げてしまったらしい。むすっと頬を膨らませる神田。がん゛わ゛い゛い゛。
放っておけよという雰囲気を出しつつも、神田はまだ俺の背中にくっついて顔を肩に乗せている。
「神田くん、」
「やだ」
「ぇ。何も言ってない」
「でもやだ」
「……ちゅーしよ?」
「だからや…する」
なんだか不機嫌な神田をほだすような感じになってしまった。
けど、神田は自分から言い出せないタイプで、しかも俺は気づかない奴を装ってる。頑張って俺を誘おうとする神田はとても愛らしい。
唇が重なる。
ちゅ、くちゅ、と部屋に水音が響く。ゲームのBGMなんか聴こえなくなるくらいに、意識が完全に神田に行ってしまう。
キスをしている時の神田は常に物欲しい顔で俺を見つめる。俺はたぶんその顔が堪らなく好きだ。
「ん、は、ぁ」
「ン、はい、終わり〜」
ちゅっと軽いリップ音を立てて唇を離す。神田がもう終わり?という顔をしたが、コレ以上は俺がやばい。既に勃ちそうなのである。
「…高槻、俺のこと好き?」
「え、うん、大好き」
たぶん神田の好きなところを言い出したら俺はゲームを語るより熱く、激しく、早口になる気がする。
不安げな顔を浮かべる神田とは対照に俺はいつも通りの惚け顔をしていた。
その時までは。
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