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正真2
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「たぁちゃんあーそぼ!」
「やだ」
「なんで!おままごとしよーよたっちゃん!」
「…だって、お前らおれに女の子演らせるから、やだ!」
「「可愛いんだもーん!!」」
咲田家とは生まれた時から近所で、周りに年の近い子供がいないこともあり、俺達はすぐに仲良くなった。
周りに比べて、比較的若いうちの両親はなにかと姉御肌な咲田母と気前のいい咲田父に頼っていて、家族ぐるみで仲良く過ごしていた。
親族の反対を押し切り、10代で結婚して、俺を産んで、誰にも頼れなかった両親にとって咲田家は本当に大きな存在なのだと小さいながら思っていた記憶がある。
小学校にあがると、顔のせいで、女の子からは怖がられたし、男からは勝手に強いと勘違いされて、よく喧嘩に巻き込まれた。
俺は喧嘩なんてやったことなかったから、もちろん、すぐボロボロにやられて、決まって言われるのだ、『顔だけかよ』と。
なりたくてこの顔に生まれたんじゃない、と言われるたびに思った。
そしてもうひとつ。友と鈴子が男女を問わず、誰からも人気だと知った。
俺とは違う人種だと、彼らを遠い存在に感じだしたのはこの頃からだった。
俺は自ら友人を作るようなこともせず、学校では一人で過ごすことが多かった。別に苦ではなかったし、時たま友や鈴子が教室まで遊びに来てくれたから、なんだかんだ満喫していたと思う。
先生には『たける君はお友達と遊ばないの?』と毎日言われた。
心配しての言葉だとは思うが、正直、その頃の俺にはなぜ先生がそんなことを言うのか理解できなかった。
俺は1人が楽しかったから。
家に帰れば、母さんと父さんが居て、隣には友と鈴子が居て、なにも不自由なんてなかった。
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