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召喚4
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「あらら、ご乱心?」
突然後ろから声をかけられて、ビクッと肩が揺れた。
「は、さ、とうかよ…びびらせんなくそ」
全員俺達の関係を知っていると言ってもやはりこうなんというか、恋人の面を他人に見られるというのは恥ずかしいわけで。
たぶん、さっきの言葉はただの女子への嫉妬心に聞こえているだろうし、たしかにそうなんだけど。
なんていうか、『俺』が、っていうか、
「学校一の不良も嫉妬とか可愛いとこあるんだね〜」
「う、るせぇ…」
今まで虚勢張ってきただけ、余計恥ずかしい。
「いやいや、ぜーんせん馬鹿にしてるとかじゃないよ?」
「あ?だったらなんだっつーんだよ」
「あんね、俺ね、腐男子なのよ」
…………………腐男子?
なんだその単語は。俺は今、日本語がわからない。
「だーかーらー、男同士の恋愛が好きなの!見る専読む専だから俺がホモってんじゃないぞ!あ、みんなには秘密な?」
「あ?あ、あぁ…あ?」
全く訳が分からなくて、意味不明な言葉を紡ぐ。
「分かんないか…つまりはだな、まあそうさなあ、君らを応援しているってこと!」
「…なるほど。」
なんとなく言いたいことはわかったけど、それをわざわざ言う必要性が感じられない。
そう思っていたら顔に出ていたようで、佐藤が続ける。
「そこで、だ。君たちを二人っきりにしてやろうってわけ。」
「は?え?でも、今日はいちゃつくなって昇平が…」
「うんうん、ラブラブ宣言ごちそうさま。昇平には秘密なのだよ!」
題して!『動物園でドキッ☆彼の野生にグラッと来ちゃう!かも!大作戦』だそうだ。
高槻と2人になれるのは嬉しいが、面倒くさい匂いがプンプンするのは俺だけか。
横目で高槻を見ると、一瞬目が合ったのにすぐに逸らされた。
それに高槻はいつの間にか女子とも普通に喋れるようになってる。
なんだよ、俺といなくても、楽しそうじゃんかよ。
むすっとしていると、佐藤が横でにやにやしながら俺を見る。
「なんだよ」
「いや?可愛いなあと思って♡」
「…お前、頭大丈夫か?」
「腐ってはいますな。」
ダメだ、佐藤、話し通じないかも。
作戦決行まで、あと30分。
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