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召喚13
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昼は動物園のBBQスペースで肉焼いたり焼きそば作ったりして楽しかった。
いつの間にか、昇平以外も俺を呼び捨てにしたり、アダ名付けて呼んでくれたりしてた。
16年生きてて、友達にアダ名付けられんの初めて、かも。
つか、ちゃんとした『友達』っていうのも初めてかもしれない。
「なーにニヤニヤしてんだよ」
「わっ、昇平びっくりさせんなよ!ニヤけてねぇし!」
「いやいや何を言いますか。超顔緩んでたからねお前?」
「ま、まじか…」
「(こいつ本気で気づいてなかったのか)」
女の子たちがやって来て、持参したお菓子を分けてくれる。
甘いものは別腹ってか。
ん?
んん???
よく見たら、女の子たちはちゃっかり、男女交互になるように座っていらっしゃる。
俺の右隣にもいつの間にか女の子が居た。
ていうか、近すぎじゃねえ?
「…あたし、神田くんってもっと怖い人かと思ってたけどぉ、案外そうでもないねぇ?笑顔かわいいしぃ、強い人って憧れる〜!守ってほしい〜!みたいな!」
ふざけんな、高槻の隣の女、なにちゃっかりボディタッチしてんだよ、つか、高槻も喜んでんじゃねえよ、くっそ、俺だって高槻の近く行きてぇのに!
「…神田くんてぇ、顔こわいけど、動物には好かれるよねぇ?さっきだってさぁ」
は〜な〜れ〜ろ〜〜〜〜!!!!
今すぐ高槻の肩から手をどけろ!!!!
「…神田くん?きーてる?」
落ち着け〜落ち着け俺。
イライラすんな、これは遠足だぞ、楽しい遠足、念願の遠足だ。
今いい感じなんだ、友達、出来そうなんだ。我慢、しろ……………。
「ねぇってば、神田くん、」
「ぅわあっ!!!」
「「「え?」」」
突然、高槻が叫び声を上げて、立ち上がった。
なぜ叫んだのか本人以外、誰も分からず、全員にハテナが浮かんでいる。
俺も、その1人。
「ぁ、ご、ごめん……」
「びっくりさせんなよー!」
「お前の事だからどうせ番組の予約忘れた〜!とかだろー?」
「あっはは…は………」
高槻はポリポリ頭を掻いて、もう一度座り直した。
顔を上げた高槻と目が合って、一瞬、悲しい顔をしたかと思うと、今度は困ったような笑顔を見せた。
なんだよ、その顔。
「たか…」
「ねぇ!神田くん!」
隣に座る女にぐっと腕を引っ張られて、言葉が遮られる。
我慢、しろ。
「ぁ、あぁ、えっと、なに?」
「実はぁ、あたしね、」
濁った感情を腹の奥に押し込めて、なるべく優しい声色で話す。
楽しい遠足だから、雰囲気を壊すわけにはいかないから、
この名前も分からない、俺に媚を売る女の、くだらない話にも付き合う。
俺って、こんなに歪んでたっけ。
「でね、」
「かっ、神田くんっ
行こう」
気がつくと、隣に女は居なくなっていて、代わりに俺は園内を高槻と走っていた。
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