アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
召喚15
-
リップ音を立てて、唇が離れる。
口と口がぶつかるだけのキスだった。
だけど、今までのどんなキスより、なんつーか、愛っつーか、好き!みたいな気持ちを込めてやった。
「ふああああ!!」
「うっせえな!」
「公衆の門前だひょ!!」
「だから気にしすぎっつってんだろ。俺がしたかったからした、それでいいんだよ!」
「うぅ恥ずかしいよぉ(/ω\)」
「全ッ然可愛くねぇから」
つかさっきのローターのほうが百万倍くらい恥ずかしいからな!!!
やっぱりこいつちょっとおかしい。
「尊くんからキスするの珍しいから、へへ、ごめん、嬉しい」
「アホ。ニヤけすぎ」
むにっと高槻の頬を抓んで引っ張ってやった。
たぶん俺も相当顔を緩ませているんだろうけど。
ピリリリッ
携帯が鳴った。
表示は昇平。
「もし『テメーらどこ行ったんだよ!早く戻れ馬鹿!』あ、悪い」
『ちょ、代わって昇平。あ、もしもし?佐藤だけど』
「あ、今戻る…ごめん迷惑かけて」
『いいのいいの、昇平はってか俺達は心配してただけだから。無事ならいいよ』
「俺が言うのもなんだけど、時間無いからクラスの集合場所にそのままっつのでいい?」
『おけおけー了解!じゃ後でね』
「だってさ。」
「じゃあ集合時間までデートだね」
「あと10分も無いけどな」
「…手つないでいい?」
「ん、」
二人っきりって言っても、園内なわけで。
他の班の奴らとかもちろん昇平たちにも会うかもしれない。
だけど、今はそんなことより、高槻との時間を楽しみたいって思ってしまった。
遠足なのにな〜、とか思ったけど、隣を見たらにこにこ俺を見つめてくる高槻が居て、俺もつられて笑ってしまったからこれはもうお互い様ってことにしよう。
指を絡めて、所謂『恋人つなぎ』をしてやったら、珍しく、高槻が目を逸らして耳まで赤くしてるから、俺まで伝染してしまった。
調子狂うなあほんと。
好きだな、幸せだな。
2人の間に会話は多くなかったけど、目が合ったら笑い合って、意識して歩幅を合わせて、短い10分をできるだけ長く、永く続くように歩いた。
「ギリギリじゃねーかよ!」
「カリカリしすぎだよ昇平!おかえり!」
「ただいま。なんか色々ごめん…」
「ゴメヌ」
「神田は許す。」
「俺は!?!?ねぇ!?!?」
「うざ、お前が神田引っ張ってったんだろーがよ!!」
「ふぇぇ、だってぇ>_<」
「「「「可愛くねぇよ」」」」
バスの中ではすっかり俺と高槻は離れて座らされてしまった。
まぁ昇平たちと仲良くなれてこれはこれで嬉しかったんだけど。
高校二年にして初めてこんな楽しい遠足を味わった。
これも高槻と出会ったおかげ、かな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
84 / 116