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憤慨5
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side高槻
尊くんの機嫌が悪い。
朝いつもの時間に迎えに行ったが、応答もなく、右往左往していたところに昇平が通りかかった。
「あ、おはよう。ところで尊くん知らない?」
「尊ならもう学校行ったぞ」
「えっ!?」
「朝練してる時見た。」
「そ、そっか、ありがと」
なんでだ????
俺なんかしたっけ???
もしかして、昨日飛び出してったのに関係あるのかも。
でも、俺、なんて言ってるか聞こえなかったんだよなあ…
こりゃあまずい。
とりあえず、1回会いに行ってみよう。
ってわけで1限後に神田の元を訪れたのである、が。
「別に。」
うはぁ……明らかにおこだよ〜〜!!!
思いだせ〜〜俺!!!なにした!?!?!
「今日から俺1人で昼食うから」
……………What??????
今日『から』ってことは明日も明後日も今後別々に食べるって宣言ですか!?!?
ちょ、おことか言ってる場合じゃないよ俺。
すごい怒ってるじゃん…しかも目も合わせてくれないし…
どうにか頭を降る回転させて昨日を思い出すけれど、やはりあの聞き取れなかった言葉がすべての始まりなのだろう。なにも解決策が浮かばない。
これは、もう、どうしようもない。
とりあえず神田の心を俺と話すくらいまで持っていかないといけない。
「あのさ」
『1回話し合おうよ』
そう言おうとしたところで、予鈴のチャイムが鳴る。
明らかに不機嫌に、全身で早く帰れの信号を送る神田に、俺は言葉を飲み込んで教室に戻るしかなかった。
昼休み。もちろん、神田は来ない。
一応いつも一緒に食べている屋上には行ってみたが、やはり姿はない。
神田の教室に行ったところで一緒に昼食をとってくれそうもないし、すぐに帰れと言われそうだ。
それでも、どこかで偶然ばったり、なーんてことがないかと屋上から戻る途中なるべく遠回りをした。
毎日大賑わいの食堂に通りかかったが、さすがにこんな人がいるところ、神田が好むわけがないと、そのまま通り過ぎた。
いつも神田が昼寝している大木。やはりそこにも姿はない。
廊下でも全くすれ違うことなく、自分の教室に帰ってきてしまった。
今日は久しぶりに友人たちの輪に入れてもらうことにする。
もしかしたらこれからずっとそうなるかもしれないけど。
できるなら、いや、絶対にそれは避けたいところである。
「あれ?めっずらし〜奴がいる!」
「さとちゃんただいま…」
「今日たける休みなの?」
「えっ、いや、そーいうわけではないんだけど…」
「やだ、ケンカ!?ケンカしたのか〜!?!」
「うーん……そう、なのかも…」
曖昧な回答ばかりの俺に、佐藤と堤は首を傾げる。
真相は俺も知りたいんだよ……
「またお前がなんかしたんじゃないのか?」
「えー…またってひどくないスか?」
「大体ケンカする時ってお前のせいだろ」
「いつものはケンカっていうか照れてるだけだし!」
「惚気なら喋らないで帰ってください!」
「さとちゃんヒドイ!!>_<」
「「うっわ……」」
佐藤とともに聞こえたブーイングの声に振り返ると、昇平がいた。
手に菓子パンが大量に入った袋を持っているところを見ると、学食にある購買にでも行ってきたんだろう。
「あ、俺今食堂行ったんだけどさ、めずらしく尊いたわ」
「えっっっ!?!まっ、えっ!?!?!」
「1人で半径2mに誰にも入れず飯食ってたから、邪魔してきたwwすげーおもしろかったぞwww」
「は!?なに、え??尊くん食堂にいたの!?」
「おー。だからついでに高槻が元気ねーって言っといた!別れたのかと思って!」
「お前はほんとに一言余計だよ!!!!」
学食にいたんだ…
絶対行かないと思ってた。
そこまでして、俺のこと避けてんの…?
も〜〜昨日の俺なにやったんだよ!!!!!
盛大にため息をついたら、3人が表情を明るくさせる。
「もしかして、ほんとに危機なんじゃないの!?」
「倦怠期ってやつだな」
「ぶっwwwやべえwww」
3人してネタにしやがって!!!!!
俺はほんとに悩んでんだけど!!!!!
ここで昨日のことを話しても、再びこいつらに餌をやるようなもんだ。
1人で解決するしかない…
やっぱり神田と話しあってみるしかなかそう。
どーやったら、俺と喋ってくれるかな…
まず後でメールしておこう。
リア充てこういうときどうしてんだ。
非リアには謎すぎますわ…。
「そういえば俺が『別れた?』つったらすげーでけー声で『ちげええ!!』て叫んでたわ、学食で。」
「それ、ほんと!?」
「お前の会話記憶はいつも頼りにならんからなあ」
「うっせーな!大体そんな感じのこと言ってたし!」
俺は別れるつもりはさらさらない。
向こうもそのようだし(昇平の記憶が正しければ)、あとは俺の問題かあ………………
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